ただ一人を慕う愛され少女【H×H】

ハンター試験へ？ ページ2

「ハンター試験ですか？」

修行が一通り終わった時間、視界に入る窓からは店の灯りや街灯がぽつりぽつりと少しずつ光り出す様子が見えた。

「ええ、貴方にはもう充分な強さがあります。それにハンターライセンスがあると色々と便利ですからね」

寝癖が最早トレードマークのようになっている私の師範…ウイングさんはそう言って私に笑いかける。

私は幼い頃から彼から天空闘技場で戦闘のいろはを学んでおり、今では200階のフロアマスターだ。

一緒にいた時間が長いせいか、一番心が落ち着く人である他に想い人だということは内緒だ。

「あれ、でも確かハンター試験ってあと2日後に開催されると聞いたような気が...」

「ええ、でも今日準備を終えて明日出発すれば貴方ならきっと間に合いますよ！」

彼は少し困惑した私の気持ちを汲み取ってか、はははと明るく笑う。

彼は身だしなみを見ても分かる通り、なかなかにルーズな人だ。そのため恐らく忘れていたのだろうが、言葉の端々から私のことを信頼してくれているように感じてなんだか少し嬉しくなる。

それにハンターライセンスを手に入れることができたらさらに自分に自信がつくだろうし、いい経験になるだろう。

ウイングさんと数日離れて生活するのは勿論とても寂しいことだがそんなことは口が裂けても言えない。

そんなこんなで断る理由もないために、その提案に了承し明日の準備に取り掛かるため自室へ向かった。

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