第十九の怪 ページ21
つかさの記憶は、とても断片的なものだった。
つかさ、あまねと呼ばれる少年、そして見知らぬ少女の三人が笑顔な場面。
空が赤付いてきたとき、空き教室に一人佇む場面。
それに近づく少年と………
場面は変わり、目の前には
冷淡な表情で包丁を降りかざす、同じ顔の少年……あまねがいた。
*
つかさの記憶と共鳴して思い出したのは、自分以外の『誰か』の記憶だった。
これもまた断片的だ。
ずっと保健室にひとり。
春も夏も秋も冬も。
けれど、その単調な場面に段々と変化が現れる。
一人の少年がカーテンを大きく開いてからだ。
白い保健室の中だけだったものに、色が付き始める。
秋には茶色に黄色、赤。
冬は一面の白。
春はピンク。
そして最も長く色が続いたのは夏。
海の青ではなく、空一面の黒だった。
そこで唯一、声が聞こえた。
「黒だけじゃない。赤に黄色、青だってある。
宇宙は無限大なんだ」
それを語る少年の横顔は、とても楽しそうで。
その顔が、脳裏にこびりついた。
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名無しの刃(プロフ) - うおお、十四の怪の動画見たことありますよ!いいですよね〜(*^^*)でも何故かその動画見当たらないんですよね...関係ない話してすいません() (2020年3月15日 20時) (レス) id: 8bc040ebca (このIDを非表示/違反報告)
カルビ☆(プロフ) - ゆきさん» いえ、こちらこそ急なことで申し訳ありません。お互い頑張りましょう (2020年2月14日 0時) (レス) id: 9d5eab3caf (このIDを非表示/違反報告)
ゆき(プロフ) - カルビ☆さん» こちらこそ感謝ですよ…。作品の宣伝については、作者様個々の実力で作品は評価された方が書く人も読む人も楽しめると思っているので、こちらからはお断りさせて頂きます。 高評価以外にカルビさんのお力になることが出来ず申し訳ないです… (2020年2月14日 0時) (レス) id: ad135fa375 (このIDを非表示/違反報告)
カルビ☆(プロフ) - ゆきさん» え、そうなんですか...!?ありがとうございます、!良ければ宣伝を((こら) (2020年2月13日 23時) (レス) id: 9d5eab3caf (このIDを非表示/違反報告)
ゆき(プロフ) - カルビ☆さん» あら優しい…。カルビさんの作品、以前拝見したことありますよ。面白かったです。 (2020年2月13日 23時) (レス) id: ad135fa375 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:ゆき | 作成日時:2020年2月12日 2時