また、会ったね。[地縛少年花子くん]

第十五の怪 ページ17

俺がまだ生徒としてこの学校にいた頃。




俺はよく怪我で保健室に連れてかれていて、そこで出会った子がキッカケで、ますます授業に出なくなった。



その原因を作ったのが、同級生の只野。

名前はいくら話しても分からなかったのか、覚えてないだけなのか。





ずっと保健室に入り浸ってたな、あいつ。
いわゆる『フトーコー』ってやつだ。


今じゃそこまで変じゃないけど、昔は『フトーコー』の存在は大分気味悪がられてたっけ。





只野と親しいって知られてからは、いじめがもっと酷くなったな。




けど、あいつと一緒にいるのは楽しくて、結局保健室に来ちゃってさ。




*



『花子さん』…。いや、昔を思い出すその目は、優しく寂しい『あまね』の目だった。



*




………シキタは、雰囲気が只野そっくりだ。



穏やかで、けれど実は面白い。

それでいて頭がいい。知識だけじゃなく、雰囲気がそれを物語っている。







でも、きっと違う。




あいつは今もきっと、どこかで生きている。




そうさせたのは、俺だ。







俺が死んでから45年。


今ごろちょうど60歳？



もうとっくに、誰かと結婚してそうだけど。





*





*





出来るなら、俺がその相手になりたかったけど……なんて。




〜〜
今作でちょっと拘った部分の一部を解説。
※ネタバレと考察入ります


土籠先生に月の石を渡したのは1969年7月22日。

つかさくんをｺﾛした描写はいくつかありますが、今の『花子くん』の学ランだったり、半袖姿だったり。


学ランなのは知ってる限り2巻だけですが、後の巻で半袖になっているので、恐らく途中で軌道修正した模様。


その為、花子くんが死んだのは1969年の夏もしくは長袖に切り替わる9月と思われます。
そして原作が始まったのが2014年。
折角なので、この話の舞台はその年にしました。


また、60歳と言ったのは、進路相談から中3なので15歳ぐらいだからです(昔はテストの点さえ取れてればある程度進路は決まったみたいなので、進路指導も遅めで良いかと思って)






これ以上の話は、また後ほど。

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