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第十三の怪 ページ15

ベッドの周りはカーテンで囲まれているが、声で寧々ちゃんと分かった。
誰かと話しているようだ。




「だ〜か〜ら〜!何度も謝ってるじゃないの!」
「俺は『少しも離れるな』って言ったよね?ねぇねぇ、何しに行ったの?」
「なっ、女の子にそういう事言わせるの?お花摘みよ!
そ、れ、に!『少しも』は誇張しすぎ!」





仲良しの葵ちゃんと話す時よりも砕けた口調。余程仲が良いのだろうか。


「Aちゃん、起きてるかなぁ…」



いつの間にか随分近くに来てたみたい。


「起きてるよ。一緒にいる子も良ければどうぞ」
「やっぱり」


そう呟くように少年の声が言うと、カーテンが勢いよく開かれ、声の主がニヤっとした顔で見つめてきた。





『あれ。この感覚、どこかで……』




保健室のベッドに横たわっていると、笑顔の少年がカーテンを力強く開く情景。


『さっきから、どうしちゃったんだろう…。』






「Aちゃん、花子くん?二人共どうしたの?」


花子…くん。

気のせい、かな。




「ご、ごめんごめん。カーテンの音にびっくりしちゃって!」
「俺も、びっくりしてる顔にびっくりして!」


「Aちゃんはまだ分かるけど、花子くんは意味が分からないよ…



それより!Aちゃんは何で花子くんの事が見えるの?!」

「花子くん…は、そこにいる子?」
「うん!」




「そっか、私も名乗らないとね。

初めまして。私は色田Aって言います。
私は生まれつき『あの世のモノ』が見えるの。普段はコンタクトで見える見えないを切り替えてる」




「へぇ〜、生まれつきって凄いね!
でも、どうしてそんな面倒な事を…」




「今まで会ってきた霊はみんな良いモノだったけどさ。必ずしも全てがそうとは限らないかもしれないでしょ?
だからこれは自衛。
今は訳あってたまたま取ってるから『その子』も見えるの」




「何だ、俺のこと怪異って気づいてたんだ。見えてるのは分かってたけど。
それにしても、俺と契約を結んだヤシロとか少年以外に霊力のある人間は初めて見たよ」

「特別変異とかじゃない?ほら、アルビノみたいに」




「ふふ。何だか二人とも、初めて会ったと思えないくらい仲が良いね!」

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名無しの刃(プロフ) - うおお、十四の怪の動画見たことありますよ!いいですよね〜(*^^*)でも何故かその動画見当たらないんですよね...関係ない話してすいません() (2020年3月15日 20時) (レス) id: 8bc040ebca (このIDを非表示/違反報告)
カルビ☆(プロフ) - ゆきさん» いえ、こちらこそ急なことで申し訳ありません。お互い頑張りましょう (2020年2月14日 0時) (レス) id: 9d5eab3caf (このIDを非表示/違反報告)
ゆき(プロフ) - カルビ☆さん» こちらこそ感謝ですよ…。作品の宣伝については、作者様個々の実力で作品は評価された方が書く人も読む人も楽しめると思っているので、こちらからはお断りさせて頂きます。 高評価以外にカルビさんのお力になることが出来ず申し訳ないです… (2020年2月14日 0時) (レス) id: ad135fa375 (このIDを非表示/違反報告)
カルビ☆(プロフ) - ゆきさん» え、そうなんですか...!?ありがとうございます、!良ければ宣伝を((こら) (2020年2月13日 23時) (レス) id: 9d5eab3caf (このIDを非表示/違反報告)
ゆき(プロフ) - カルビ☆さん» あら優しい…。カルビさんの作品、以前拝見したことありますよ。面白かったです。 (2020年2月13日 23時) (レス) id: ad135fa375 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:ゆき | 作成日時:2020年2月12日 2時

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