足元の花 ページ10
結局、授業の鐘が鳴るまで職員室に居た。その間ロブスター先生が退屈しないようにって筋トレ紹介してきたけど興味がなくてやめた。
先生たちが戻ってくると緊急の会議を開くと言って会議室に入っていったのを見届ける。
ねぇ、俺たち帰っていいの？
「そういえばルリハタちゃんってどこの寮だっけ？」
「私は特別室で休ませてもらってるんです。防御魔法のしてある部屋で…」
「なにそれ…、閉じ込められてる様なものじゃん…。」
「そう思った事はなかったですが…言われてみるとそうなのかもしれませんね。でも、安全ですから…。」
「俺さぁ〜、アズールから聞いたんだけどさ〜。ルリハタちゃんってずっと気ぃ張ってるんだって？なんか気ぃ抜いたら花が咲くんでしょ？」
「どうしてそれを…」
「アズールが教えてくれたぁ〜。でも、そんなの見た事ないし〜？でも、それが本当だったらルリハタちゃんずっと休んでないって事じゃん…。そんなの悲しいし、ルリハタちゃんの身体が辛いよ…。」
「フロイドさん…。」
少しだけ表情が和らいだ彼女を見て俺も笑顔になる。
「俺、いいこと言った〜？」
「ふふ、そうですね。+100ptですよ。」
「え?!本当?!じゃあ、これで番に…」
「まだ10000ptは遠いですよ。」
「え〜〜。まだあんの〜…？」
「まだまだです。」
「ルリハタちゃん、たまに俺の事嫌いなんじゃないかって思う…。」
「そんなことは無いですよ。フロイドさんの事好きです。」
「じゃあ、番になってよ〜」
「10000pt貯まったらですよ。」
「む〜〜〜。意地悪。」
「ふふ、あはは…!」
声に出して笑った彼女の足元に僅かに花が咲いたのを見て目を見張る。
これは…さっき話してた…!!
彼女がそれに気付くと慌てて花を手で千切ってゆく。千切った花達はすぐに枯れ果て塵となって消えてしまった。
あー勿体ない。
頭の片隅にそう思った。
???なんで勿体ないと思ったんだろう?
「すみません、お見苦しいものを…。」
「なんで？綺麗じゃん。」
「え、」
「それってさ〜、誰かに気持ち悪いって言われた訳？」
「いえ…そういう訳ではないのですが…」
「ならいいじゃん。それにさぁ、すげぇ綺麗なんだからさ〜、隠さなくてもいいんじゃね？」
「それは…、駄目なんです。珍しい花や薬草が生えちゃうから見られたら余計に狙われてしまうので…。」
「あ〜…そうなんだ。ごめん、ルリハタちゃんの気持ち考えてなかった。」
ルリハタちゃんが首を横に振る。
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作者名：モネ | 作成日時：2021年10月5日 13時
