好感度アップ…？ ページ7
翌日。
ルリハタちゃんが教室に来るのを朝早くから待っている。
早く反応が見たくて今か今かと待ち望んでいると徐々にクラスメイトの奴らがやってくる。
その中にルリハタちゃんがひっそりと潜んでいてそれを見逃さず声を掛けに行く。
「ルリハタちゃ〜ん!!どうだった?プレゼントは〜。」
「あ、フロイドさん。おはようございます。昨日のリボンやはりプレゼントだったんですね。ありがとうございます。」
そういってふわりと笑う彼女の髪には昨日つけてあげたターコイズ色のリボンが結ばれていた。やはり金にターコイズは映える。
「ねえねえ、それでどれくらいpt上がったの?」
「そうですね。これで90ptです。」
「え〜?それだけぇ〜?」
「文句を言うならマイナs」
「うわっ!!ごめんって!!」
「ふふ、フロイドさんは朝から面白いですね。」
「む〜〜〜。そりゃど〜も〜…」
完全に遊ばれたような気がしてぶすっとすると余計にクスクスを笑われる。
まぁ、彼女が笑顔ならいっか。
「俺、早くルリハタちゃんを番に欲しいんだけど〜?」
「10000pt貯まったらですよ。」
「はぁ…先が長い………」
「頑張ってください。いや、いらないなら頑張らないでください。」
「頑張るに決まってんじゃん!!で、今何pt？」
「−10ptです。」
「え〜〜?まだマイナスに振り切ってるのぉ〜？」
「昨日−100ptでしたから、今日の90ptを足してもそれくらいです。」
「分かったぁ〜〜……」
明らかに落ち込んだ様な俺を見てか少し困った顔をするルリハタちゃんに唇を尖らせる。
もうちょっとpt頂戴、という言葉は担任の声でかき消された。
慌てて席に戻るルリハタちゃんを見ながら俺は欠伸をした。
あー、授業とかまじ怠いし…さぼろっかな〜。
そう思っているとルリハタちゃんが振り返る。口をパクパクさせ何か言ってるようだが、そこまで陸の言葉に強くない。唇の動きだけで分かれと言うのは…。
《この授業受けたら100ptあげます》
そう言ってる気がして俄然やる気が出た俺は珍しく教科書やノートを開いた。
それを見た回りの奴らが顔を青くするのには気付かなかったが、先生の怪訝な顔は傑作だった。
何あの顔、マジウケるんだけどぉ〜!!
金魚ちゃんがこっちを見て口をあんぐり開けているのは見えた。
…お前ら、失礼過ぎないか？
今日、俺は必死に好感度上げの為授業に出続けた。
そして広まった噂がこれだ。
《フロイド・リーチが優等生になった》
……お前ら、絞めるぞ？
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作者名：モネ | 作成日時：2021年10月5日 13時
