寮長の好感度の上げ方 ページ5
綺麗にリボンが付けられたところでルリハタちゃんが急に振り返ったので目を見張った。
「フロイドさん。どうしたんですか？こんな所に珍しい…。」
「ん〜、ちょっとね〜。」
「私、隠し事は嫌いです。隠し事なら−25pt＿＿」
「わぁ〜?!分かったって!!」
「フロイドさん、ここ図書館です…!静かにしないと…!」
「ルリハタちゃんが変なこと言うから〜…」
お互いに口を押さえ小声で言うと、それが可笑しかったのかくすくすと笑いだす彼女に安堵の息を吐く。
髪に触れ、リボンに触れた。
「帰ってから鏡見てよ。素敵な物が見えるから。」
「…？分かりました。では帰りますね。」
「うん。じゃあね。ルリハタちゃん。」
手を振って別れを惜しむとお辞儀をして去っていく彼女。
明日どんな反応するんだろう。
楽しみだなぁ〜。
早くも明日に思いを馳せている自分にニヤニヤしながら寮へ戻るとアズールからこっぴどく怒られた。どうもサボってたことがバレてたらしい。隠すつもりもなかったけど。
「ねえ、アズールってさ〜。他の奴らに愛想振りまくじゃん？それって好感度上げる為なの〜？」
「なんですか、いきなり…。まぁ、そうですね…。好感度を上げれば契約はしやすくなりますから、なるべく上げるに越したことはありません。なんです？興味があるんですか。」
「めっちゃある。」
「は、」
アズールが持っていたペンを落とし、口を開け呆然とこっちを見るがすぐに気を取り直し紙に向かっていく。
「どうせお前の事だ。すぐ飽きが来るに違いない。」
「酷くね？俺、真剣に話してんだけどぉ〜？」
「…じゃあ、聞くが…それを聞いてお前はどうするつもりなんだ？」
「え〜？決まってんじゃん。ルリハタちゃんの好感度上げるの〜」
「…はぁ、聞いた僕が悪かった。」
聞くなりすぐに机に向かうアズールにぶすっとむくれる。
聞いたくせにその言い方ないじゃん!と心の中で悪態をつき部屋へ戻ろうとすると、呼び止められたので渋々そっちに顔を向ける。
「一つ忠告しといてやる。…彼女は嘘や隠し事が嫌いだ。お前なら心配ないだろうが率直な感想を言うんだな。」
「それさっき聞いた〜。もうちょっとなんかないわけ〜？」
「なら、これはどうだ?彼女の能力について。」
「能力??ユニーク魔法の事?」
「いや、彼女のユニーク魔法もかなり価値のある物だが…それ以外にも能力を持っているらしい。」
初めての内容にすぐさま耳を澄ませる。なんだろう？気になる。
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作者名：モネ | 作成日時：2021年10月5日 13時
