Pt上げの為の食事作り ページ39
アズール達が海に行ってから数分後。
フロイドはAを後ろから抱きしめ、Aの頭の上に自分の顎を乗せて笑っていた。
「完全に二人きりになるのって〜、結構珍しいよねェ〜？」
「確かにそうですね…。」
思えば何だかんだあの二人が居て、何だかんだあの二人から言われたような気がする。
まあ、それもこれもA達を心配しての事だろうが…。
「短い時間でも“居る”って事には変わりないしさ〜？何だか新鮮〜。」
「ふふ。そうですね？」
穏やかな時間が流れるが、ハッとしたようにフロイドが目を見開く。
「違うって！俺、pt上げてぇーの！いつまで経ってもこのままじゃん！」
「じゃあ、頑張ってくださいね？」
「えぇ…？ヒントくらいくれても良くな〜い？」
ガーンと効果音が付きそうな顔でフロイドがAを見る。
一応これまでも手を尽くしてきたつもりだったが…、もう何をすればいいのか今のフロイドには皆目見当もつかなかった。
だから助けを求めてAを見る。
「…そうですね。例えば、今日一日私に食事を作ってくれる、なんてどうでしょう？」
「え？ルリハタちゃん、そんな事でいいのー？あっははァ…！食事なら任せてよ！！」
腕にあった服をまくり上げて気合いを入れているフロイドに僅かに目を見張るA。
まさか、フロイドが料理を作れるなんて思わなかったからだ。
でも今思えば、モストロラウンジの料理をたまに作っていると話していたし、料理は得意なのかもしれない。
こう見えて彼も苦労性という事なのか、とAは心の中で彼を不憫に思う。
「早速だけど〜、何が食べたいの〜？ルリハタちゃん。」
「フロイドさんの得意料理は何ですか？」
「俺ー？得意料理っていう得意料理はないよー？言われれば何でもこなせるしぃ〜？」
「す、すごいですね…。」
まさか苦手なものが無いとは恐れ多い。
「では、内容はフロイドさんにお任せします。それでptを決めますね。」
「ええ…？責任重大じゃん…。……ま、でもそれの方が分かりやすくて良いかもねー。」
頭の後ろで腕を組んだフロイドは、ご機嫌よろしく鼻歌を奏でながらそのままモストロラウンジの方へと向かっていく。
その後を物珍しそうにAも付いていった。
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作者名：モネ | 作成日時：2021年10月5日 13時
