ターコイズのリボン ページ4
ルリハタちゃんのpt制が始まってから俺は早速自身の片割れに相談していた。
「なぁ、ジェイド〜。好感度が上がる事って何があるわけぇ〜？」
「おやおや。いきなりどうしたんです？」
心底面白そうな顔でそう言う片割れに眉間に皺が寄る。
面白がってんじゃねえ。こっちは真剣なんだ。
「…ルリハタちゃんが10000pt貯まったら番になるっていうから、pt上げてぇ〜の。好感度上げるにはどうしたらいいか分かんねえんだよ…。」
「ルリハタちゃん…。あぁ、Aさんですか。ふむ、そうですね…。ありきたりですがプレゼントなんてどうですか?」
「何あげていいのか分かんねえよ…」
「彼女、いつも髪を結んでいますよね?髪を結ぶためのリボンなどどうでしょうか?」
「リボン〜？そんなんで好感度上がんのぉ〜?」
「やってみればいいでしょう?…あぁそれから、リボンの色くらいは自分で考えなさい。」
「えー…？リボンの色〜？」
リボンの色なんて言われてもピンとこないが、とにかくジェイドが言っていたプレゼント作戦を決行すべくモストロラウンジの仕事を(勝手に)休み、店へ行ってみる。
雑貨屋なんてめったに来ねえし、どこら辺にあるのかわかんねーけど一つだけ目について気になったリボンがある。
俺の髪と同じ色のターコイズブルーのリボンだ。
ルリハタちゃんは金髪だったし、この色のリボンは映えるだろう。
すぐそれを掴み会計へと向かう。
あー。ルリハタちゃんの反応が楽しみだなぁ〜。
「ありがとうございました。」
会計の人が最後まで挨拶するのを聞かず、足早にルリハタちゃんを探すことにした。
早く会って、これをつけてあげたい。
きっと似合うだろうから。
「ルリハタちゃん、どこ行ったんだろ…。」
得意なかくれんぼだが、今は何処に行ったか検討つかない。
手当たり次第出会った奴らに聞いていくと、どうもルリハタちゃんは図書館にいるようだ。
隙あらば図書館にいる彼女の事だから、今頃読書に耽っているのだろう。
廊下を走った所をイシダイせんせぇに見られてすっげえ怒られたけどそんな場合じゃない。
俺はルリハタちゃんを攻略するのに忙し〜の！と心の中で悪態をつく。
「(…ルリハタちゃんは、っと…。あ、居た。)」
夕日に照らされ輝いている彼女を呆然と見遣る。
思わず言葉が口をついた。
「綺麗……」
慌てて口を押さえ、彼女の後ろへそっと移動する。
気付かれないように髪からリボンを取り先程買ったリボンを付けた。
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作者名：モネ | 作成日時：2021年10月5日 13時
