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照れ隠し ページ30

翌日の放課後。
彼女を連れ水槽へ向かい、また練習を始める…のだが、やはり1回目はどうしても彼女が水の上に浮いてしまう為自分が水の中に引きずり込んでいた。
水槽といえど、陸の人間でいうプール?ってやつと同じくらいあるし、なんならそれよりとっても深くなってる。
海の中を泳げないといけないから水中での練習が必要ではないかと言ったのだが、水中で泳ぐ練習はとりあえず置いといて、水の表面で泳げるようにならないといけないんだってアズールが言ってたのでそれを守ってこうして練習している。


「そういえば、昨日の店の喧嘩の事だけどさぁ〜?」
「あ、気になってたんです。どうなったんですか?」
「なんか、新作のデザートが無くなった腹いせに店員に殴りかかったらしいよ〜?だから喧嘩に発展したんだってジェイドが言ってた〜。あのデザート、すっげぇ人気なんだってさー」
「そうですか。なんだか複雑です」
「ま、ルリハタちゃんが気にすることじゃないから大丈夫〜」


気になっていたであろう話をして、安心させてから練習を再開する。
一生懸命な彼女に俺も応えたいから、教えてあげられるところは頑張って伝える。
それが功を奏したか、彼女の上達ぶりはすこぶる早い。
これなら水中もいいかもしれない。
アズールから貰った水中呼吸薬を彼女にふりかける。


「??これは…?」
「アズールから貰った水中呼吸薬ってやつ〜。これがあれば水中で呼吸出来るようになるんだって〜。俺らからしたら不思議な薬だと思うけどねー。」
「ふふ、そうですね。フロイドさんからしたら不思議ですよね。私もこの間までは不思議に思ってました。水中で呼吸が出来ないなんて本の中でしか知り得なかった知識ですから実際やってみて実感しました…!本当にフロイドさんや皆さんには感謝しかないです。」
「俺がやりたいだけだしー!それにぃー、将来俺の番になるんだから少しでも海に慣れてて欲しいし〜?」


そう言うと彼女は顔を真っ赤にした。いつもなら顔を真っ赤にさせるなんてあまりないのに…。


「そう、ですね…。」
「え……番になって、くれるの…?」
「い、1万pt貯まったらですよ!」
「…ふふ、な〜んか隠してな〜い?」
「隠してないです!」


いつもならすぐにpt制の話をする彼女が今日は肯定すると来たら、すぐに食いつくのが自分というもの。そりゃ、早く番になりたいもん!!
赤い顔のまま水中に身を隠す彼女をニヤニヤしながら追いかける。
たまには、こんな事もいいかも。

沈めません!!→←水泳練習



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作者名:モネ | 作成日時:2021年10月5日 13時

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