モストロラウンジ新作発表会�� ページ23
次々と出されていく料理に舌鼓を打っていると徐々に笑顔になっていく。
あぁ、なんて美味しい。
「「「「(美味しそうに食べてくれるなぁ……)」」」」
そして会場の参加者たちの心も一つなのである。
これだけでも持ってきた甲斐があると言うもの。
出来れば優勝に越したことはないが、彼女がこんなにおいしそうに食べてくれるなら次も頑張ろうと思ったのだった。
「ふむ、女性の意見も聞きましょうか。どうです?Aさん、どれが良かったですか?」
「そうですね…決め難いくらいに皆さん上手に出来ています。どれも優勝で良いような気がします。」
「「「「(あぁ、天使だ…)」」」」
「どれか一つ決めるなら?」
「…これですね。果物の宝石と呼ばれるこのサクランボはよくできています。それから作り出されるこのタルトが食欲をそそられるくらい赤々しく情熱的で素敵です。一般のお店に出しても遜色無い出来栄えかと。」
「すげえ…」
「女の子って甘い物になると本気出すって聞いたことがあるけど…マジなんだな…」
「それほどサクランボ好きだったのかな…」
会場にいた参加者たちから歓声が沸き起こる。
な、なんだろう…変なこと言ったかな…?
「このサクランボ、品種は《明かり果実》ですよね?」
「え、そこまでわかるの?!そうなんだよ!!実家が農家で、これを作ってるんだ!!君、話分かるね!!」
「分かります。こんなおいしいサクランボは他にありませんし、何といっても爽やかな酸味と甘味。とても美味しいです。」
「ありがとうございます!!」
「ふむ、女性の意見もやはり取り入れるべきだ。フロイド、どう思います?」
「ルリハタちゃんが美味しそうだからこれでいいんじゃないかな〜?」
「僕もそれで良いと思われます。」
「じゃあ、優勝はこれにしましょう。」
なんかあっという間に決まってしまったが良かったのだろうか?
心配になり隣を見るとフロイドさんが笑って返してくれたので取り敢えず大丈夫なのだと判断する。
幸せな時間は早く過ぎていくもので、あっという間にいなくなってしまった参加者たち。
寂しくなった会場にボーっとしていると会場の片づけをしていた寮の人たちまでも出ていく。
「ルリハタちゃん。どうだった?」
「はい、楽しかったです。ありがとうございます、参加させてもらって。」
「ねえねえ、これでどれくらいpt貯まった?」
「そうですね…、この間の件もあるので今1000pt貯まったくらいです。」
「ちぇ、まだまだじゃん、がんばろ…」
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作者名：モネ | 作成日時：2021年10月5日 13時
