【ツイステ】気まぐれフィロソフィー (ページ22)

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モストロラウンジ新作発表会② ページ22

「フロイドさんは参加しないんですか?」
「俺はパス。めんどいけど審査員してるから。」
「審査員…」
「という事は料理の試食ですよね?」
「うん。あ、ルリハタちゃんも参加する?デザート沢山食べられるよ?」
「う、食べたい、です…」
「よしよし。じゃあ、余計に捕まっててね～?」

首に回す手に力を入れるが怪訝な顔をされ、キツすぎたかと腕の力を緩めればもっと顔を歪められる。

「…ルリハタちゃん。それ本気?」
「え、どういう事でしょう?」
「力入れてって言ってんの。なのに全然力入れないからさ～」
「え、入れましたよ。寧ろきつすぎるかと思って緩めたくらいです。」
「それじゃ、振り落とされちゃうよ～?」
「わ、分かりました。頑張ります。」

ぎゅ～と力を籠めるが溜め息を吐かれ困ってしまう。
うぅ、私だってこれが精一杯だもん。
逆に彼の腕の力が強くなる。

「振り落とされないでよ～?」
「分かりました。」

すると急に飛躍したと思ったら近くにあった階段の手すりにぶら下がっており、喉がヒュッと鳴る。目を瞑って腕の力を強めると彼が笑い出す。

「あっはぁ!!やっぱルリハタちゃん軽すぎて持ってる感じしな～い!!」
「は、早く下りませんかっ?!」
「待ってよ～?今、下りる所探してるからさ～」

キョロキョロと見渡した彼はようやく焦点を合わせそこに飛び降りた。飛び降りる重力で気絶しそうになった私を見て余計に笑い出す彼に私も力なく笑った。

「フロイド。遅刻ですよ……おや、貴女も参加されますか?」
「ルリハタちゃんは試食したいんだって～」
「「「「(天使が試食だと…?)」」」」

それを聞いた参加者たちに闘志が漲る。何があっても彼女に食べてもらいたい。
参加者の心は一致していた。

「あぁ?(な～んか、嫌な予感するんだけどぉ～?)」
「フロイド。何故彼女は死にそうなんですか?また何かしたのか?」
「上から飛び降りたら気絶しそうになっててさ～、面白いよね～?」
「はぁ、とにかく席に着け。始めるぞ。」
「は～い」

優しく椅子に降ろされると目の前にはギラギラした目つきの参加者たち。
びくっと肩を揺らすと、何故か向こうもびくっと肩を揺らした。その視線はフロイドさんの方だが…?
彼を見てもいつもの笑顔だったので首を傾げたが明らかに彼の方を見て怯えているように見える。

「モストロラウンジ新作発表会、開催します。順番に並んでください。」

アーシェングロットさんの掛け声で皆が一列に並び始める。