告白とポイント制 ページ3
「ルリハタちゃ〜ん!!」
手を振ってこちらに向かってくるのはフロイドさん。
私の同級生。
そして、何故か私に付きまとってくる気まぐれな人。
周りの人からは《双子のヤバイ方》と呼ばれているらしいが、そんな彼も私の前では大人しい。
会えばすぐその長い脚に追いつかれぎゅっと抱き着かれるので気分は大きな子供を持った母親のようだ。
それ故か先生方は彼を呼び出す時、必ず私の名前も上げる。
すると彼は私をどこからともなく掻っ攫い持ち上げると先生の所へ向かって行くのだ。
「フロイドさん、先生からの呼び出しでもありましたか？」
「い〜や？別にないよ〜？」
「あ、そうですか。では私はこれで。」
「なんでよ〜?!ルリハタちゃんって俺の事嫌いなわけ〜?!」
「いや、嫌いではないです。若干面倒なだけで。」
「ねえ〜、ルリハタちゃん、素直過ぎな〜い？」
「素直が一番です。嘘を吐く人や隠し事する人は嫌いです。」
「へ〜…そうなんだぁ〜。」
「フロイドさんも嘘を吐いたら絶交ですからね？」
「え〜?!それだけで絶交とかなくな〜い?!やだよ〜!!」
「嘘つかなければいいんですよ。嘘を吐く人は本当に嫌いです。」
ぶうと膨れた彼の頬を包み込むと風船が割れる様に息が外に出ていく。
彼は良い意味でも悪い意味でも素直だから大丈夫だとは思うが。
「じゃあ言うけど。俺、めっちゃルリハタちゃんの事好きぃ〜！」
「ありがとうございます。私も好きですよ。」
「え、じゃあ、俺たち番じゃん?!」
「飛躍しすぎです。愛してるって言葉がないと番じゃないです。」
「え〜？じゃあ、愛してる」
「軽い発言なので減点です。−50ptです。」
「はあっ?!ちょ、待ってよ?!なんでそんなに減点されてんの?!つーか、ポイント制なんて聞いてないんだけど?!」
「今言いました。合計10000ptで私をあげましょう。」
「……無理ゲーじゃん。」
「文句を言ったので更に−50pt。」
「え、ちょ、ちょっと待ってよ?!どうしたらポイント上がるわけ?!」
「そうですね。私の好感度が上がればプラスします。つまり好感度が上がることをすれば上がります。」
文句を言いそうになったのか慌てて口を押さえる彼に笑って見せる。
「頑張って攻略してくださいね？」
「…へ〜い。」
そうして彼は興味を失ったのか何処かへ去っていった。
全く…彼が気まぐれな事は分かっているのだ。勿論先程のポイント制の話は嘘ではない。10000pt貯まればお嫁に行く。癪だがそれ位には彼の事が好きなのかもしれない。
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作者名：モネ | 作成日時：2021年10月5日 13時
