ルリハタちゃんの部屋 ページ16
「潰れはしませんが…それでも気遣いありがとうございます。」
「うんうん。今日からここが俺達の巣だからねぇ。覚えておいてね、ルリハタちゃん。」
「巣…」
苦笑いを浮かべた彼女に好きな食べ物を聞いたり暫く話しているが飽きない。寧ろ、胸の辺りがいつぞやみたいにポカポカする。すっげぇあったかい…。
暫くしてから寮内の案内も済ませ、モストロラウンジの仕事の話を簡単に済ませ、そして問題が起きた。
「そういえば、Aさん。衣類はどうするんですか?」
「「(忘れてた……)」」
お互い大事な事を忘れていた。シャワーとかはここの寮内のものを使用すればいい。だが、衣類はどうしようもない。
「私、部屋から取ってきます。」
「なら俺も行く〜。ルリハタちゃんの部屋ってすっげぇ気になるからさ…」
マジでどんな生活してたのか気になってた。さっきのベッドの事然り、防御魔法の事と言い、最悪の想像しか出来ない。
変わらず片腕にルリハタちゃんを乗せ歩き出すともう慣れたのか首に手を回してくるルリハタちゃんにニコーと笑う。
「あ、ここで大丈夫です。」
「えぇ?中に入るよ〜」
「防御魔法が作動してしまわないか心配で…」
「発動したらどうなんの?」
「体が吹き飛びます。」
「…よくルリハタちゃんはここで生活出来たねぇ…?」
「私には作動しないんです。」
「でもでも!!中見たい!!」
「うーん、クルーウェル先生に言えばもしかして…」
「えー、イシダイ先生の所に行くのめんどいんだけど。って事でお邪魔しマース」
「え、フロイドさん、危な__」
中へ入るとやはりと言うべきか防御魔法は作動しなかった。魔力の痕跡がない。綺麗さっぱり消えているというのが正しいのか…。
中はこじんまりとしており、本当に簡易的な物でしか無かった。ここを住まいとするには狭すぎやしないか?
「…ルリハタちゃん、よくこんな所で生活出来たねぇ〜」
「住めば都ですよ?」
「うーん、俺には無理そう〜」
「そうですか。フロイドさん、少し待ってて下さい。今支度しますから。」
「うん、ゆっくりでいーよ。」
簡易ベッドへ座ると確かにルリハタちゃんの言う通り固いと思う。マットレスなんて最早効果は全くないし、布団も薄いような気もしなくもない。
「(あ、ルリハタちゃんの匂いがする……)」
いい匂いだ、とても唆られる。……って、いやいや、こんな事してたら変態じゃん!!
慌てて他の場所へ視線を移すと家具が何も無い事が分かる。
10人がお気に入り
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名:モネ | 作成日時:2021年10月5日 13時