俺達の巣 ページ15
俺の半分くらいしかないんじゃないかって位小さなこの身体を片腕で抱き上げると、顔を真っ赤にして小さな抵抗を見せるルリハタちゃん。軽い、軽すぎるよ。何食べればこんな軽くなれんの？
「あはっ!?それで抵抗してるつもりぃ?!何それ、稚魚じゃん!!」
「フロイド。陸の女の子は軽いんですから、からかわないであげて下さい。」
「いや、これは軽すぎでしょ〜?あ、何食べたい?俺作ろうか?」
「い、いえ……そこまでお世話になる訳には…」
「そうだ、フロイド。折角なので彼女にもモストロラウンジで働いてもらうことになりました。仕事を教えてあげなさい。」
「は〜い♡」
もう既に超ご機嫌の俺に2人は笑顔を見せる。1人はやれやれと言う顔だったがそれでも今日は笑顔の方だ。
「フロイド。その巣には僕も居る事忘れないでくださいよ？」
「あはっ、分かってるって!!さ、行こ。ルリハタちゃん。」
「は、はい…。よろしくお願いします…」
「固いよぉ、ルリハタちゃん。そんなに緊張しないでよぉ〜。」
「緊張しない方が無理だろう…？」
アズールが真っ赤な顔で何か言ってたが聞こえな〜い。ルンルンで寮内の俺の部屋へとルリハタちゃんを案内する。
「ここが俺の場所で〜、こっちがジェイドの〜。」
「お二人共普段から整頓されてますね…。流石です。」
「大体ジェイドが直してくれるから気にしたことないや。」
「あ、そうなんですか。」
彼女を俺のベッドへ優しく下ろせば、ベッドの感触を確かめるように手でポンポン叩いた。
「……柔らかい」
「あ？ベッドなんだから当たり前じゃん。……なに、もしかしてルリハタちゃんのいた部屋ってベッド無いの？」
「ある事はあるんですが、簡易ベッドなのでここまでフカフカではないんです。でも贅沢言ってられないのであるだけ有難いんです。」
「……何それ。本当に閉じ込められてるみたいじゃん。ルリハタちゃん、女の子なんだからもっとワガママ言った方がいいよ。じゃないといつまで経っても休まんないじゃん……。」
気分が急降下するのが自分でも分かる。こんな小さな女の子のベッドなんてたかが知れてる。向こうが変えないなら俺が買ってあげたいくらい。いや、買う必要は無いか。これからいくらでもここで生活する羽目になるんだから。
「フロイドさんは優しいですね。さっきも私を優しく下ろしてくれましたよね。」
「当たり前じゃん…。稚魚みたいに小さいんだから落としたら絶対潰れるじゃん。」
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作者名：モネ | 作成日時：2021年10月5日 13時
