黄金の契約書 ページ14
金色の契約書。アズールのユニーク魔法〈
相手の要求を呑む代わりに対価として相手の能力を奪うユニーク魔法。今回の場合はそんな強い効果の物では無いにしろそれを使うみたいだ。
ルリハタちゃんに手を振り、片割れと一緒に寮前で待機する先生達を説得しに行ったのだった。
「ーーーという事ですので、彼女のことはこちら側におまかせ頂けないでしょうか？」
「無理だ。彼女の事は我々に任せてもらいたい。……と言いたい所だが、あの部屋についてはこちら側も配慮が足らなかった。それは詫びよう。それに、だ。お前らが出てきた時点で薄々渡さない事は気付いていた。」
イシダイ先生が頭を抱えながらため息を吐く。さっすが〜、イシダイ先生はよく分かってる〜。
「但し、あの部屋を改造するまでの応急処置だ。それまでは彼女を預けて置くが、何かあればすぐに我々に言え。いいな？リーチ兄弟。」
「あはっ!!イシダイせんせぇさっすが〜!」
「ふん。駄犬どもの話も少しは聞いてやらないとな。あと、アーシェングロッドにも話しておけ。」
「はーい。」
「かしこまりました。」
そう言うとイシダイ先生が踵を返していく。
俺は片割れの肩に手をおきニコニコと笑顔になると先生に手を振っておく。それを片割れが口元をニヤつかせ見てくるのでニヤリと返しておいた。
これでAは俺の物だ。
「部屋はどうするんですか？まさか、彼女を僕たちの相部屋に入れる気ですか？」
「え、当たり前じゃん。俺の番だよ？」
「まだ番じゃないと思いますが?それに彼女の許可も取らないと。」
「許可なんて要らない。近くにいないと守れねぇじゃん。」
「はぁ。そう言うとは思っていましたが…、くれぐれも彼女を大切にしてあげてくださいよ?」
「んな事、言われなくても分かってるしぃ〜。」
頭の後ろに腕を宛てがいルリハタちゃんの元へ行く。そろそろ契約書も終わったんじゃないかな?
「たっだいま〜♡」
「おかえりなさい。随分と早い説得でしたね。まさか殺りました？」
「そんな物騒な事する訳ないじゃん。ちゃんと説得したよ〜」
「クルーウェル先生が言ってました。取り敢えず特別室を改造するまでは我々に預けると。アズールによろしく言ってましたよ?」
「先生も許してくださるなんて…すごい……」
「へへっ!すごいでしょ〜?じゃあ、早く俺達の巣へ行こ、ルリハタちゃん。」
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作者名：モネ | 作成日時：2021年10月5日 13時
