2017. ページ34
目的地の公園に着いた。
15分くらいの時間だったが軽いランニングが出来た。
動いて温まった身体を冷やす前に帰ろう。とも思ったが、
なんか気になって公園の中を少し歩いてみた。
ベンチにひとり座ってるのが見えた。
夜の静寂に、小さな声。
なんか近寄っちゃいけないような雰囲気があって物陰からベンチを見てみる。
髪の長さからして、女性?
ちょっと薄着だ、寒くないのか?
ミルクティー持ってる。微笑ましいな、なんて。
啜り泣いているようだ。
もちろん、悲し泣きだろう。こんな時間に、ひとり公園のベンチでなんて。
──"翔平くん"。
微かにそう聞こえた。
聞き間違い、じゃないか?
俺が居ること、バレたか?
ベンチに居る女性は立ち上がり、こちらの方向へ向かってくる。
急ぎ足で迫ってくる。気配を察知されたみたいだ。
誰だろう。
俺と同じ名前を呼んでたから気になって、物陰から、姿を見てみる。
目の前を通っていく、その顔は少し清々した表情。
見覚えのある、可愛い顔。
あの人は。
俺が、会いたくて仕方なかった人。
駆け寄りたかった。腕を掴んでそのまま抱きしめたい。
でも会う約束している、今の俺では会わす顔がないのが現状。
目の前に、居る。会いたかった人が。
こんな寒い中、何してるの?
なんで、泣いてるの?
なんで俺の名前を呼んだの?
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ミカ(プロフ) - flowers5730さん» ありがとうございます! (2023年5月6日 2時) (レス) @page26 id: 3ab0355b62 (このIDを非表示/違反報告)
flowers5730(プロフ) - 面白いです 投稿楽しみにしてます☺️ (2023年5月5日 8時) (レス) @page4 id: 703aa6d383 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:ミカ | 作成日時:2023年4月15日 20時