ravage .

2017. ページ22

いいなぁ、ラブラブじゃんかよ。

旦那さんの顔をちゃんと確認しておきたくて写真送ってなんて言っちゃった。


あとは、Aさんの顔も見たくて。

可愛いね、なんて送っちゃったけど。





送ってもらったのはいいものの。
好きな人の隣に男か。いい気分ではない。


お土産欲しかったな〜。

渡す事出来ないから、か。

あの試合の時に遠目にしか見てない。





俺とAの間には色んな障壁がありすぎる。



好きになったら、積極的に。とか言ったけど、
全然出来てない。いや、できない。





直接好きと言いたいのに。

会いたいのに。

同じ北海道という所にいるのに。

近くにいるのに。





当たって砕けた方が楽なのに、
障壁のせいでそれさえも阻まれる。




既婚、という壁が、俺にはとにかく高すぎる。



手を出そうなら、俺の人生は終焉。
これからの人生、野球人生がオワル。

でもそれでもいいかもしれない。
大好きな人と歩む第2の人生の主人公になれるのなら。

信じちゃいない神様に願いを乞うなんて、らしくないけど。


──野球を捨てる代わりに、俺にAさんをください。




役所に出す、ただ1枚の紙切れ。

ただの紙切れにさえ嫉妬してしまうなんて、
恋に狂うと、人間こうなるんだね。

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