ravage .

2017. ページ11

時は進んだが、約束(？)通り、新シーズンが開幕し翔平くんがチケットを取ってくれた。
予定が合ったため球場へ足を運ぶことにした。

2人案内出来るからもう1人誘ってみて！との事だったので
悩んで悩んで、旦那を誘った。

友人からチケットを貰ったと伝え、
『一緒に行かない？』と言ったら

「A、野球好きだったよね！俺も生で野球観てみたい！」

と返答をくれた。嬉しい。私の好きなものに付き合ってくれるのが純粋に嬉しかった。


久しぶりにデートだ！なんて意気込んで、
なんだか付き合いたてに戻ったみたいで少し照れくさかった。やはり、旦那が好きなんだよねきっと。








試合前日になり、
『ごめん！仕事が入った！ナイターだから夜だよね？開始までには終わらすから！』

なんて言われて。"本当にそうなのかな"と思ったり。


私は私で家事やらないと！と、支度の時間までのんびり家で過ごした。

お昼をすぎたあたりで翔平くんからLINEがくる。


翔平くんAさん!今日来てくれるんだよね?結構近い席にしたからAさん見つけよーっと!笑
頑張るんで応援お願いします!!


"Aさん" か。
こんな時に名前なんて呼ばないでよね。

嬉しくなっちゃうから。

旦那にさえ忙しくてすれ違ってて
最近名前を呼ばれてないからさ。


"女は単純で、ひょんな事で気持ちが動いちゃうんだから。少しは気をつけなよ。"
なんて文面には出来ない事を孤独な部屋で呟く。





そういえば、翔平くんには旦那と一緒に行くって言ってなかったな。
まあいいよね別に。誰誘っても。

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