【M!LK】居眠りホームズとスマホ刑事の事件簿下 (ページ9)

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9通話目 -最終話-③ ページ9

僕らがビルを出るころには、すでに日が落ちて、綺麗な夕焼け空が広がっていた。

「僕の忠告を無視するからだ」

すると、僕の背後で嫌味ったらしい声が聞こえた。
振り返ると、そこには居眠りホームズと助手のワトソン君が壁にもたれかかってこちらを見ていた。

山中「で、出歩いてる？！」

板垣「なんだい、なんだい。せっかく死に目を見に行ってやろうと思ったのに、案外元気そうじゃないか」

板垣所長は嬉しそうに微笑んでいた。
まったく、へそ曲がりのホームズだ。
素直に喜べないのかよ。

佐野「瑞生…来てくれたんだな…」

板垣「君も、無事みたいで何よりだ。君の葬式なんて、死んでも行きたくないからね」

佐野先輩と、板垣所長はお互い微笑みあっていた。
ちぇ、僕の時とはまるで態度が違うじゃないの。

佐野「そうか…やっぱり甥っ子ってお前だったのか…」

曽野「はい！この前助けてくれたお礼ができて、ホンマに良かったです！」

板垣「まだ紹介してなかったけど、この子、俺の助手なんだ。俺が助けを求めに行っても、警察は三年前みたいに俺の言葉を信用してくれるとは思えなかったんでね。そこへ丁度、曽野君が君の甥っ子だって"知ってくれてる"人がいてね。なんとか信用してもらったよ」

佐野「なるほどな…。ありがとうな！二人とも！」

曽野「でもまさか、お客さんの電話の相手が、所長の恩人の警察の人で、それがあの時僕を助けてくれた寝ぐせの人やったなんて…」

そうなんだよなぁ。
世間は狭いというか、なんというか。