【M!LK】居眠りホームズとスマホ刑事の事件簿下 (ページ5)

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8通話目⑤ ページ5

銃口は僕と佐野先輩を狙っている。

山中「危ない！！」

僕は佐野先輩の体を引っ張って、そのまま一緒に床に伏せた。
間一髪、発砲された拳銃の弾は、僕の肩をかすめて、今まで座っていた椅子の背もたれを貫通していった。

「ちっ…」

その人影は軽く舌打ちすると、再び撃鉄を起こしてこちらを狙ってくる。
僕は椅子を掴むと、その人影めがけて椅子を投げつけた。
投げた椅子は、見事にそいつの体に直撃し、よろめいて部屋の外の壁に激突していた。

佐野「米沢…先輩…！！」

佐野先輩はそう言うと、僕を庇う様に前に出て、その人影と向き合った。
米沢…こいつが…。

米沢「久しぶりだな…佐野…。そいつ、お前の新しいバディなんだろ？思った通り、そいつを餌にしたらすぐ食いついてきやがったな…」

米沢は広角を上にあげてこちらに不気味な笑みを向けている。

佐野「なんで…なんでまたこんなこと…！！」

米沢「俺は気がついたんだ…。誰の記憶にも残らない人助けより、歴史に残る人殺しのほうが面白いんだよ…わかるだろ？」

なんなんだこいつ…。
こいつが本当に元捜査一課の刑事？

米沢「それを邪魔するお前も、あの探偵も、そこの新人刑事も、皆殺してやるよ」

狂ってる。
こんなやつが元々捜査一課で佐野先輩とバディを組んでいたっていうのか？！
許せない…。
僕は言い知れぬ怒りで拳を震わせた。