【M!LK】居眠りホームズとスマホ刑事の事件簿上 (ページ8)

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2通話目② ページ8

やがて、彼は24Ｈ営業の漫画喫茶に入って行った。

山中「漫喫…？他にやることないのかよ…」

仕方ないから、僕もその漫喫に入る。
そして、佐野先輩が入った個室の隣の個室に入ることにした。
その個室は、外からでも隣からでも簡単に中を覗ける一番グレードの低い個室だったので、先輩の素行を調べるにはうってつけだ。
かといって、僕も先輩にばれないようにしなくては。
そうこうしているうちに、佐野先輩はお目当ての漫画を持ってくると、薄っすら笑い声をあげながらそれを読み始めた。
しばらく漫画を読んでいたが、今度はカツカレーとラーメンとアイスを注文すると、それをおいしそうに完食し、気持ちよさそうに居眠りを始めた。

山中「どんだけ食うんだ…そして、まだ寝るのか…」

そして3時間後。
夜の6時を回ったところで、先輩は起き出し、漫画喫茶を後にした。

山中「はぁ…余計にがっかりだ。プライベートまであんなずぼらな人だったなんて…」

もう尾行するのも馬鹿らしくなってきた。
一日無駄にしてしまったな。
今日はもう帰るか、と思ったその時。
佐野先輩がスマホを取り出して、電話をかけ始めた。

山中「お…？！」

僕は少し胸が躍って物陰に身を潜めた。
せめて、どんな話をしているのか聞きたい。
犯罪すれすれだが、これも致し方ない。
幸い先輩は僕に背を向けた格好になっている。
ゆっくりと先輩の背後に近づく。

佐野「じゃあ、今から行くよ。うん、うん」

そんな会話が聞こえてきた。
今から行く？
いつも事件の時に話してる相手だとすると、これで真相がはっきりする。
一体誰と話していたのか。
それさえわかれば僕の気持ちがすっきりする。
すると、佐野先輩は電話をしながら歩き出した。

山中「おいおい、いくら非番だからって刑事がながら通話なんかするなよ…」

本当は今注意したいけど、ここは我慢して明日きっちりお説教してやろう。
先輩の後をつけながら、僕はそう考えた。
しかしその時だった。