7通話目�� ページ45
次の日の早朝、僕は署に向かう前に板垣探偵事務所の客用ソファに腰かけていた。
曽野「なんや…。もう電話の相手が誰かわかったんですね…。しかも、それが所長やったなんて…」
山中「ごめん。でもありがとう。僕の依頼の為に遅くまで調べてくれてたんだろ？今度、またラーメン食べに行こう」
曽野「…はい！」
そして、僕はお金の入った分厚い封筒を曽野君に手渡した。
曽野「はい、確かに。では、今回の依頼について簡単に説明させていただきます。まず、所長は基本的にこの事務所から出ることはないので、電話でのやり取りになります」
まぁ、おおよその予想はしていたけど、やっぱりそうなんだ。
そう思って、所長のデスクを確認すると、彼はお茶をすすりながらこちらを見ていた。
曽野「詳しい情報であればあるほど、事件解決までの時間が短くなりますので、情報は的確にお願いしますね」
それならもういっそのこと現場に一緒に来てくれればいいのに。
そうすれば、もっと早いだろ。
山中「僕が車を出すから、一緒に―」
板垣「絶対嫌」
あっそ…。
まぁ、その点に関しては諦めよう。
電話でも解決できるということは、佐野先輩の例から見ても立証済みだ。
あまり気にしないでおこう。
曽野「電話の方も、基本的にはお客様からしていただく形で、通話料もお客様負担になりますので、ご了承ください」
へいへい、わかっておりますとも。
100万も払わせておいて、随分サービスの悪い探偵事務所だ。
まぁ、それも承知の上で依頼したんだけど。
板垣「契約に際して、俺から一つだけ条件がある」
すると、所長はソファから立ち上がってこちらにやってきた。
板垣「彼のことをよろしく頼むよ。君の言う通り、危なっかしい奴だからさ」
山中「はい…！」
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作者名：milkssss | 作成日時：2019年6月30日 15時
