【M!LK】居眠りホームズとスマホ刑事の事件簿上 (ページ36)

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6通話目② ページ36

佐野「もう大丈夫だぞ～。よしよし」

佐野先輩は、さっきまでとは打って変わって、優しい笑顔でその猫の毛をわしゃわしゃしていた。

山中「大丈夫ですか？！佐野先輩！」

佐野「俺は大丈夫！この猫も怪我はしてないみたいだし」

それにしても、なんの躊躇もなく川に飛び込んで猫を助けるとは。
…まぁ、この人はこういう人か。
仕事がずぼらだからと言って、悪い人間ではない。
前にも言った通り、仕事の態度以外はまるで聖人かとも思えるぐらい、この人は優しいのだ。

山中「…そこで待っていてください。そのままじゃ風邪ひきますし、タオルと替えの服、すぐそこのスーパーで買ってきますから」

佐野「まじで？ありがとう柔太朗！この子のミルクも頼むわ」

山中「はいはい。わかりました」

―

僕は佐野先輩用の替えの服と大きなタオル二枚、そして猫用のミルクと小さな紙皿を買うと、急ぎ足で川辺に戻っていった。
橋の下で、先輩が猫と戯れているのが見える。

山中「先輩、買ってきましたよ。猫は僕がミルクをあげておくので、先輩はそっちの陰で着替えてきてください」

佐野「サンキュー！」

先輩は僕から着替えとタオルを受け取ると、橋の下の陰で着替え始めた。
僕は猫をタオルで拭いてやり、買ってきた紙皿にミルクを注いだ。
猫はおいしそうにそれをペロペロと舐めている。
なんだか微笑ましいな。
そう思って、先輩の方に目をやった。
その時、僕は一瞬息をのんだ。