4通話目�� ページ24
僕と佐野先輩、そして、塩崎先輩の三人で、事件現場へ急行することとなり、僕は車を走らせた。
さっきのこともあってか、僕が運転中、佐野先輩も塩崎先輩も何一つしゃべらない。
いつもは嫌って程バカ騒ぎするくせに。
それにしても、僕にあんなこと言われて、佐野先輩はどう思ったのかな。
とてもびっくりした顔してたけど。
まぁ、今はそんなことどうでもいいか。
そんなことを考えていると、事件現場に到着した。
現場ではすでに鑑識が始まっており、鑑識官が写真を撮っているのが見えた。
山中「状況は？」
僕は、顔なじみの鑑識官を発見し、声をかけた。
「銃殺です。心臓を撃たれて、即死のようですね」
現場にはまだ血だまりが広がっている。
僕は、ブルーシートが掛けられた場所へ向かった。
山中「うっ…ひどいなこれは…」
どれだけ見たって、殺された遺体というのは見ていて気分のいいものじゃない。
僕はすぐにブルーシートを下ろすと、風通しのいい場所へ向かって深呼吸した。
その後に続いて、塩崎先輩と佐野先輩も遺体を確認していた。
塩崎「ひどいことするもんだぜ…。で、身元は？」
顔をしかめながら、塩崎先輩は鑑識官に尋ねた。
身分証明書から、被害者は都内に住むE(仮)さん、45歳男性、中小企業に勤めるサラリーマンで、死亡推定時刻は昨夜2時〜5時の間だということだった。
この付近はその時間帯になると、人通りがほとんどなく、民家もないため、銃声を聞いた人は今のところ見つかっていないそうだ。
山中「犯人にこの場所に呼び出されて、撃たれたんでしょうか…」
塩崎「かもな。心臓を一発で撃ち抜かれてるから、相手は相当銃の扱いに慣れてるな…」
佐野「…」
佐野先輩、今日はやけに大人しいな。
いつもなら僕に状況の説明を簡単に説明するように求めてくるのに。
さっき怒鳴ったこと、気にしてるのか？
ちらっと佐野先輩の顔を見てみると、見たことないような神妙な面持ちで、遺体の方を見つめていた。
塩崎「弾頭は見つかった？」
「はい。今、持ち帰って詳しく調べているところです」
発射された弾頭には、ライフルマークと呼ばれる螺旋状の模様ができ、それは拳銃一つ一つ違う形なので、そのライフルマークを調べれば、拳銃の種類や個々の拳銃まで特定することが可能だ。
それがわかれば、拳銃の製造番号や購入者などを特定するのも容易となる。
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作者名：milkssss | 作成日時：2019年6月30日 15時
