伝えたいもの ページ42
白side
「ﾊｱ……ﾊｱ…ﾊｱ」
呼吸が上手く出来ない
そろそろ僕も限界のようです
再不斬さん……
けれど
その前に『大丈夫か！白っ』
貴方に渡さなければ
ならない事があります……。
*
「ｹﾞﾎ…ｹﾞﾎッ」
生ぬるい紅い血が
口から溢れおちる
僕の容態を悟ったのか
Aさんが医療忍術の用意をし始めた
『待ってろ…！今助けて……っ！？』
けれど
無駄です
母の力無しでは 貴方は恐怖を隠せない
残された母のチャクラも
今は感知出来ない
恐らく
……もう
「Aさ…ん そのまま……
聞いてｹﾞﾎ…ｹﾞﾎッ…………ﾊｱ下さい」
僕の力も残り僅か
その前に 貴方に母から……
「ﾊｱ……ﾊｱ……」
最後の力を振り絞り
震える足で僕はAさんの前にたった
『おいっ！何でお前……』
突然たった僕に驚いたのか
彼は立ち上がり僕の肩を上下に揺らす
酔うので止めてください←
クラッと視界が歪み
僕はAさんに支えられた
「……っ、スミレ……」
ふわっと香りが広がる
彼の首筋辺りから
そのスミレの匂いは
僕を安心させる
母と……同じ匂い
僕は呼吸を整えると
Aさんの真正面に立った
色白の顔に黒い髪が風でなびく
“だけどね……あの人に……“
「……っ、“逢えて……よかった“……」
振り絞った声は
少し上擦った
“半径15mは僕の担当地区
見つからずに逃げ切れますよ
＿＿＿＿＿Aさん“
あの日 母を失ったあの日
貴方は母の為 蒼柊の花を摘みに
やって来る
そう信じて 僕は里の方に
人員を向けた
全ては僕が仕組んだものでしかない
用意周到に作った
僕の計画の中 貴方は僕の前に現れた
それだけで 僕は
“満足だった“
血の繋がった者
僕自身を認められる
唯一の人だったから
だからこそ
伝えたかった……っ
貴方に……僕が今できるすべての事を……。
母に代わって……いや
僕と母からの言葉を……。
- 金 運: ★☆☆☆☆
- 恋愛運: ★★★☆☆
- 健康運: ★★★★★
- 全体運: ★★★☆☆
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作者名：堕天使マリア★ | 作成日時：2016年4月16日 12時
