【ナルト】カッコつけてる忍ですが実は怖がりです【男主】 (ページ38)

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氷雪の霊狼ページ38

「ガルルゥゥゥウウッ！！」

怒りに震えるその声でハッと我に返った

『霊狼……だな

コイツ、口寄せ獣だよな』

「……だな何の目的でこんなところに

A、何者かとの契約を解いてくれ」

契約を解くには封印式の上から
新たな術式を刻めばいい

しかし今回は違う

『……あぁ、それは良いけど』

「どうした？何か問題でもあるのか？」

『それにはまず、こいつに憑依されている術を解かなきゃな……』

このまま封印式を上書きしようとすれば

恐らくこの術がその行為を拒むだろう

しばらくの静寂と孤独の後←

隊長がこえを出した

「これだけの規模だ……

野に放てば辺りは壊滅

何者かに術を封じるしか……」

その声に俺は体が震えた

たった一つの任務のために

一人を犠牲にすると言うのだから……

『おい、お前何いって……』

「とりあえず、使えそうなのを連れてくるか……」

顎に手をあて一人を納得したかのように
隊長は歩き始めた

『てめぇ……っ！何いってんだよ！

自分のしようとしてること
分かってんのか！

封印されたそいつは
生死さえ不安定になるかもしんねぇんだっ！！』

術の精度と体質には
合う・合わないがある

合わない体にこんな大きすぎる力を
封じれば確実にあの世いきだ

……どうでもいいが

この時の俺は明らかに
先輩後輩の立場を忘れていたな

「ほぅ……」

俺がそう叫ぶと

何か面白いものでも見つけたかのように
隊長は俺の方に首だけ向けた

「一人を犠牲に……そのお陰で何人の人の命が救われる？

落ち着いて考えてみろ

天秤にかければわかるだろ……A」

『天秤に……かける……だと？』

一人の命と何十人の命

どちらが“重い“か

それだけで人の運命なんて
いくらでも変わってしまう……。