もので釣る※一ノ瀬くん多め ページ48
一ノ瀬視点
槐『ふーん、俺が心配してたのをよそに、どっかで楽しいことでもしてたんだ〜？』
珍しくジト目でこちらを見てくる槐に、どきりとして、別に必要ないのに言い訳じみた返答をしてしまう。
一「い、いや、何もない！決して！お祭りなんか行ってない！……あ」
そして全くもって余計な一言も付け加えてしまった…！
顔から血の気が引いていくのが分かる。
槐『お、お祭り…？おまつり…。…い〜な〜！お祭り、俺行ったこと無いなぁ。どんな感じなんだ、お祭りって！！』
お祭り、という言葉に反応したのか、ものすごい勢いで捲し立ててくる槐。その様子がいつもの槐でほっと一安心した。
しっぽを振って(いるように見える)、聞いてくる槐が可愛くてなんだか撫でたくなる衝動をぐっと堪える。
槐『…はっ！これはそうじゃなくて…！一ノ瀬、今のは忘れてくれ…』
さっきの子供みたいな反応から我に返って、今度は両手で顔を覆って恥ずかしがっている。これには流石に抑えきれず、手が勝手に槐の頭に伸びて撫でてしまう。
一「ふはっ、んなに恥ずかしがんなくていいぜ、絶対忘れねーからな！」
槐『なんっ…！ははっ、もういいや！はー…なんでこんなことになってるのか分かんないよ』
一「だな！」
槐『そろそろ部屋戻んないとだな〜』
触り心地の良かった頭から手を離すのが、ちょっと名残惜しかった。だからかもしれない、気がつく前に口が動いていた。
一「そういえば、お祭りで取った景品、あげるから俺の部屋来いよ」
これじゃあ槐を餌で釣ってるみたいじゃねぇかよ！
少し後ろめたさを感じながら、返事を待つとすぐに
槐『ほんと！？じゃあシャワー浴びたらすぐ行くから！』
あっさり釣れてしまった。これでいいのか。
＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿
ｺﾝｺﾝ
槐『一ノ瀬ー！来たぞー！』
一「おう、早かったな〜。そんなに景品欲しかったか？」
わざとにやにやしながら、少しからかってみる。
まあ、こいつ素直すぎるから今回も、うん、すごく欲しい！とか言ってくるんだろうなあ…と予想していたが…
槐『わ、悪かったな…。で、でもすごく気になるし…欲しい…』
て、てて、照れてるぅ！？なんだこいつ、くそ可愛い…。
紛らわせるために、ぼすっと音を立ててベッドに座るのも、なおさら可愛い…て何考えてんだ俺…！
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 88人がお気に入り
お気に入り作者に追加
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告感想を書こう！(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
みこ(プロフ) - 月兎さん» コメント嬉しいです！原作を知るきっかけの一助ができたのなら良かったです！また少しずつ更新していきたい所存です！ (2023年2月21日 2時) (
レス) id: 5de5538111 (このIDを非表示/違反報告)
月兎(プロフ) - この小説がきっかけで原作を読み始め、見事にハマりました！素敵な作品をありがとうございます！これからも更新楽しみにしてます...！ (2023年2月17日 17時) (レス) id: d1823f8608 (このIDを非表示/違反報告)
みこ(プロフ) - ドリコク鳥さん» コメントありがとうございます！手探りのため少しずつ書式が変わっていってますが、読みやすいと言って頂けてとっても嬉しいです…！これからも楽しんでもらえれば幸いです！！ (2023年1月27日 21時) (レス) id: 5de5538111 (このIDを非表示/違反報告)
ドリコク鳥(プロフ) - 好みブッ刺さりました…！男主君の性格が大好きです！文章もとっても読みやすくて…更新fightですッ！ (2023年1月19日 11時) (レス) id: debadd0cbf (このIDを非表示/違反報告)
みこ(プロフ) - 真白さん» っすぅ…。コメントありがとうございます！そう言ってもらえて大変嬉しいです！ニチャりながらの応援…どうぞこれからもお願いします！ (2022年10月3日 0時) (レス) id: b46bf5c3ac (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：みこ | 作成日時：2022年9月3日 19時
