ネクタイ?※ ページ35
一ノ瀬視点
今目の前には、ネクタイを綺麗に結ぼうとしているAがいる。少しからかうだけのつもりだったけど、反応が面白いからもっとからかってみたくなる。
一「ったく、ほんっと不器用だな!…貸せよ、俺がやってやんよ」
顔には呆れた風を装いつつ、内心はしたり顔である。
(いつかなんかの漫画で読んだような青春シーン!?
もしかしたら、やべーこいつすげー漫画に影響うけてるやつだって思われたか!?)
Aの反応が気になって、ちら…と見てみる。
槐「え!やってくれんの?ちょー助かる、ありがとう…」
(そうだこいつ漫画とか知ってるやつじゃないし、しかもちょー素直な奴だったー!なんで今まで忘れてたんだ俺!)
てっきり断られると思ってた俺は、予想外の反応に焦り始める。
槐「はい!」
と、両手にネクタイの両端を持ってこっちに差し出してくる。なんだこいつ、可愛い。もう幻覚とは思えないほどの犬の耳が見える。しっぽも。
一「…仕方ねーなー、、」
やれやれといった感じをかもし出して、ゆっくり近づいてネクタイを手に取る。よし、綺麗に結んでやろうと思って手を動かすが、そう言えば、人のネクタイなんて今まで結んだことねえな、と。
槐『一ノ瀬?どうした?』
急に止まった俺の様子が気になったのか、少しかがんでこっちを見つめるA。そのせいでもとから近かった距離が、さらに縮まって。
皇「なにやってんだ、下手くそ」
ふと横から馬鹿にするような声が聞こえた。
あー、皇后崎かー。は?
一「はあ?…はあ、今いいとこだったのに…」
皇「一ノ瀬、お前こんなのも結べないのか。貸せ、槐、俺がやる」
そう言って皇后崎はAの後ろ側に移動した。
そのままAの首元に手を回して…。
一「っおい!!俺が…!」
皇「うるせえな…。…ん、できたぞ。」
むかつくことに、Aに手を置いたままこっちをみて、ふっと鼻で笑いやがった。目元だけでも馬鹿にしていると分かる。
一「お、俺だってそうやればできたに決まってるだろ!」
槐『うぉぉ、すげえ整ってる…!皇后崎ありがとう、それに一ノ瀬もありがとな!』
似合ってるだろ、と遊摺部や屏風ヶ浦に自慢してまわるAを見て、大目に見てやる、とでも言う風に皇后崎を睨みつけた。
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みこ(プロフ) - 月兎さん» コメント嬉しいです!原作を知るきっかけの一助ができたのなら良かったです!また少しずつ更新していきたい所存です! (2023年2月21日 2時) (レス) id: 5de5538111 (このIDを非表示/違反報告)
月兎(プロフ) - この小説がきっかけで原作を読み始め、見事にハマりました!素敵な作品をありがとうございます!これからも更新楽しみにしてます...! (2023年2月17日 17時) (レス) id: d1823f8608 (このIDを非表示/違反報告)
みこ(プロフ) - ドリコク鳥さん» コメントありがとうございます!手探りのため少しずつ書式が変わっていってますが、読みやすいと言って頂けてとっても嬉しいです…!これからも楽しんでもらえれば幸いです!! (2023年1月27日 21時) (レス) id: 5de5538111 (このIDを非表示/違反報告)
ドリコク鳥(プロフ) - 好みブッ刺さりました…!男主君の性格が大好きです!文章もとっても読みやすくて…更新fightですッ! (2023年1月19日 11時) (レス) id: debadd0cbf (このIDを非表示/違反報告)
みこ(プロフ) - 真白さん» っすぅ…。コメントありがとうございます!そう言ってもらえて大変嬉しいです!ニチャりながらの応援…どうぞこれからもお願いします! (2022年10月3日 0時) (レス) id: b46bf5c3ac (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:みこ | 作成日時:2022年9月3日 19時