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「昨日ね、すっごく悲しいことがあって」
「…うん」
「雄大に会いたかった」
「…呼んでくれたら良かったのに」
雄大はまだ私に背中を向けたまま、いまにも消え入りそうな声で呟く。スマホをいじる手は止まって、見えるのは真っ暗な画面だけ。
「威尊先輩たちと楽しんでるんだろうなって思って、言えなかったの」
「…やっぱり」
私がそう言うのを分かっていたかのようにそう呟いた雄大はゆっくりと体を起こして、こちら側に向き直った。ようやく顔が見えたけど、唇はとんがっているし、ほっぺたは膨らんでる。全身から納得いきませんオーラを放つ雄大は何も置いていない机に目線を送ったままで、まだ目も合わない。
「楽しかったけど、Aが泣いてるんやったら飛んでくのに」
「うん、そう思った」
「…Aがなに言いたいか分かるけど」
ようやく顔を上げた雄大の目はなんとなく潤んでいて、きゅっと結ばれた唇が小さく震えてる。
「寂しかってん」
あー、もう、本当にこの人は
「雄大、私がいないとしんじゃうんじゃない？」
「…ほんまにそうかも」
はぁ〜って大きなため息をつきながらまた机に突っ伏した雄大。ぴょんっと跳ねた寝癖がしっぽみたいでかわいい。言うこともすることも、寝癖の付き方も、全部小さい頃から何も変わらなくて、愛おしいなって気持ちでいっぱいになる。
「昨日きょーちゃんからAが泣きながら店に来たよって連絡来て、なんで俺じゃないんってやけ酒して匠海と威尊に怒られてん」
「もー、迷惑かけてるじゃん」
「Aのせいやからな〜」
「えー？」
「やから今日は、俺ん家泊まりに来てや。朝までいっぱい話そ」
「仕方ないなぁ」
この気持ちが何かって聞かれたら、友情ですって答えるしかないんだけど、たぶんほんとは、共依存に近いなにか。
親離れじゃないけど、雄大離れしなきゃいけない日がいつか来るのかな。できればその日が遠い日でありますように、できればその日が、来ませんように。そう願いながらはちみつの香りがする雄大の寝癖をもう一度抑えた。
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み(プロフ) - えす氏さん» 更新おまたせしました！ぜひ読んでいただけたら嬉しいです！ (2022年1月14日 21時) (
レス) id: b074cc1820 (このIDを非表示/違反報告)
み(プロフ) - くまさん» コメントうれしいですー！ありがとうございます！続きも頑張ります！ (2022年1月14日 21時) (レス) @page43 id: b074cc1820 (このIDを非表示/違反報告)
えす氏(プロフ) - 柾哉先輩(/ _ ; ) 更新待ってました。続きが気になります！ (2021年12月15日 22時) (レス) id: 5baf972c67 (このIDを非表示/違反報告)
くま(プロフ) - 更新嬉しいです！！！！もー、まさや先輩（ ; ; ）？！笑 続きめっちゃ気になります！ (2021年12月15日 19時) (レス) @page42 id: ff03694f37 (このIDを非表示/違反報告)
み(プロフ) - くまさん» 手汗！（笑）うれしいですー！柾哉先輩まだまだ出てくるので、楽しみにしていてください！ (2021年9月9日 15時) (レス) id: b074cc1820 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：みお | 作成日時：2021年8月13日 22時
