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先輩はまだ私を見たまま。いちご色の髪からのぞく耳が、同じ色に染まってる。一瞬きゅっと口を結んで、ふぅ、と息を吐き出した先輩。
「そのままの、意味、」
「ずるいですそんなの、」
「うん、」
「…ちゃんと言ってくれないと、わかんないです」
そんな顔で、そんなこと言わないで。都合の良いように考えてしまうから。でも、期待していいのかな。色んな気持ちがぐるぐる回って、もうよく分からない。
「…いつか言うから、もう少し待ってて」
「いつか、」
「色々、ちゃんとするから、」
もしかして、私と先輩が同じ気持ちなんだとしたら。
色々、がなんのことを言ってるのか、嫌でも分かってしまう。柾哉先輩を見るとどうしてもリオ先輩のことが頭によぎるのは、柾哉先輩にとっても当然のことなんだ。そう思うとぎゅっと握り潰されるような、さっきとは違う胸の痛み。
この痛みも苦しみも、柾哉先輩を好きだから生まれるもので、でもいつか、この痛みもいい思い出だったと笑える日が来るのだろうか。
目の前で難しい顔をしている先輩。かわいいカフェに来て目の前においしいケーキがあって、さっきと何も変わらないのに、幸せなはずの空気が白い霧に包まれたよう。
「先輩、ケーキ、食べましょ」
「うん、」
いつ食べるか悩んでいたいちごをフォークに刺して、ぱくっと口に入れた先輩。
ふわっとほころんだ表情にほっとして、私もケーキを1口口に入れた。口に広がる生クリームの甘さに、心まで解けた。
「おいしい」
「おいしいですね」
目の前の幸せそうな顔を見てぽろっと出た言葉が柾哉先輩とぴったり被って、びっくり顔の先輩と私。
かぶったね、と言って笑う先輩はさっきの笑顔と変わらずかわいくて、生クリームと同じくらい、それ以上に幸せな気持ちになった。
結局私は柾哉先輩の全部が好きで、どれだけ悲しくても、どれだけ切なくても、好きでいることをやめられないんだなって痛感した。
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み(プロフ) - えす氏さん» 更新おまたせしました！ぜひ読んでいただけたら嬉しいです！ (2022年1月14日 21時) (
レス) id: b074cc1820 (このIDを非表示/違反報告)
み(プロフ) - くまさん» コメントうれしいですー！ありがとうございます！続きも頑張ります！ (2022年1月14日 21時) (レス) @page43 id: b074cc1820 (このIDを非表示/違反報告)
えす氏(プロフ) - 柾哉先輩(/ _ ; ) 更新待ってました。続きが気になります！ (2021年12月15日 22時) (レス) id: 5baf972c67 (このIDを非表示/違反報告)
くま(プロフ) - 更新嬉しいです！！！！もー、まさや先輩（ ; ; ）？！笑 続きめっちゃ気になります！ (2021年12月15日 19時) (レス) @page42 id: ff03694f37 (このIDを非表示/違反報告)
み(プロフ) - くまさん» 手汗！（笑）うれしいですー！柾哉先輩まだまだ出てくるので、楽しみにしていてください！ (2021年9月9日 15時) (レス) id: b074cc1820 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：みお | 作成日時：2021年8月13日 22時
