〇 ページ16
.
「先輩、ほんとに甘いもの好きなんですね」
「うん、大好きなんだけど、周りにあんま好きな人いなくてさ、コンビニスイーツとかばっかり食べてるんだよね」
それもそれで美味しいんだけど、って言いながら、いつ食べよう…ってケーキの上のいちごを見つめてる。
「そういえば、きょーちゃんも甘いもの好きですよ」
「ん？きょーちゃんって？」
「え？きょーちゃんって、京介くんです、藤牧京介」
「えっ」
目を見開いて驚いた様子の先輩に、こっちが驚く。きょーちゃん、友達って言ってたよね？まさか違った？違う人？
「ご、ごめんなさい、知り合いじゃなかったですか？」
「あ、いや、まさか京介とAちゃんが知り合いだなんて知らなくて」
「え？きょーちゃんは私と柾哉先輩が知り合いって知ってました…なんでだろ…」
「あー、それは、」
先輩はなんとなく気まずそうに、頬を人差し指で掻きながら俯いた。カフェの窓から入るいちごの香りを乗せた風が、先輩のいちごみたいな髪を揺らす。
「俺が、最近気になる子がいるんだって、Aちゃんと撮った写真見せたんだ」
「…え？」
思いもよらない言葉に一瞬止まった思考が、一瞬で体を駆け巡る。心臓が外に出そうなくらいドキドキして、息が苦しい。
先輩が俯いていた顔を上げて、合った視線がまた息を苦しくさせた。
「京介、Aちゃんのこと知ってるなんて言ってなかったのに…やられたな」
「ま、待ってください」
「ん？」
「気になる子って、なんですかぁ…」
普通に会話を続けようとする先輩だけど、聞き流せるような言葉じゃないよ、って思って、吐き出した息と共に心の中の言葉が口に出た。
.
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 820人がお気に入り
お気に入り作者に追加
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告感想を書こう！(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
み(プロフ) - えす氏さん» 更新おまたせしました！ぜひ読んでいただけたら嬉しいです！ (2022年1月14日 21時) (
レス) id: b074cc1820 (このIDを非表示/違反報告)
み(プロフ) - くまさん» コメントうれしいですー！ありがとうございます！続きも頑張ります！ (2022年1月14日 21時) (レス) @page43 id: b074cc1820 (このIDを非表示/違反報告)
えす氏(プロフ) - 柾哉先輩(/ _ ; ) 更新待ってました。続きが気になります！ (2021年12月15日 22時) (レス) id: 5baf972c67 (このIDを非表示/違反報告)
くま(プロフ) - 更新嬉しいです！！！！もー、まさや先輩（ ; ; ）？！笑 続きめっちゃ気になります！ (2021年12月15日 19時) (レス) @page42 id: ff03694f37 (このIDを非表示/違反報告)
み(プロフ) - くまさん» 手汗！（笑）うれしいですー！柾哉先輩まだまだ出てくるので、楽しみにしていてください！ (2021年9月9日 15時) (レス) id: b074cc1820 (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：みお | 作成日時：2021年8月13日 22時
