〇 ページ13
.
「雄大はAちゃんがおらんと生きていけなさそうやな(笑)」
と、笑いが治まった威尊先輩が言う。
「…そんなことないと思いますよ、ああみえて結構しっかり者だし、私の方が優しくしてもらってばかりで」
忘れかけていた昼間の優しすぎる雄大への気持ちを思い出して、また心の中に霧がかかる。
「しっかり者はそうかもやけど、それだけとちゃうんやないかな、なぁ？威尊」
「せやなぁ。人の優しさは、優しくされた経験から生まれんねんで。Aちゃんが雄大に優しいから、雄大もAちゃんに優しいんやな」
「でも私は雄大になにもしてあげられてなくて…」
「俺は、相手になにかしてあげる事だけが、優しさじゃないと思うけどなぁ」
と言って、遠くで柾哉先輩と洸人先輩と話す雄大を見ながら話す匠海先輩。
「Aちゃんはいつも雄大の側にいて、雄大のこと見守っとるやろ。それも優しさやし。それにな、優しさを受け止めるのにも優しさが必要やねん」
「そうそう。そういう人ってな、いてくれるだけで十分やねん」
さっきの雄大の言葉を聞いていたのかと思うくらいタイミングの良い匠海先輩と威尊先輩の言葉に思わず涙が出てきて、
「えっ、Aちゃん、どうしたの、」
「っ、ごめんなさい、」
「俺なんか変なこと言っちゃった！？良い事言った気でおったけど、えっ、恥ずかしすぎた！？」
大慌ての威尊先輩と匠海先輩が私の前に回り込んできて、2人で頭や背中を撫でてくれる。
泣きたくないのに、涙が止まらなくて、
「違うんです、私、雄大になにか返せてるのかなって…ずっと、悩んでっ…でも、先輩たちのおかげで、なんかすっきりしました…ありがとうございます、」
「Aちゃん、」
.
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 821人がお気に入り
お気に入り作者に追加
この作品を見ている人にオススメ
この作品を見ている人にオススメ
「INI」関連の作品
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告感想を書こう！(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
み(プロフ) - ささん» そんなに楽しみにしてくださっているなんて、うれしいです！期待に応えられるように頑張って書きます！ (2021年8月13日 22時) (
レス) id: b074cc1820 (このIDを非表示/違反報告)
み(プロフ) - しおさん» お返事遅くなってすみません！コメントありがとうございます！だれとくっつくのか、楽しみにしていてくださるとうれしいですー！ (2021年8月13日 22時) (レス) id: b074cc1820 (このIDを非表示/違反報告)
さ - 続きがめちゃ気になって眠れなさそうです！笑雄大と幸せになってほしいです… (2021年8月12日 21時) (レス) id: 6ed2f3dd28 (このIDを非表示/違反報告)
しお(プロフ) - だれとくっつくのか続きがめっちゃ気になります。柾哉くん推しなので柾哉くんだったらうれしいです！ (2021年8月8日 11時) (レス) id: f904d21042 (このIDを非表示/違反報告)
み(プロフ) - あいみさん» 嬉しいです！ありがとうございます！がんばりますー！ (2021年8月5日 23時) (レス) id: b074cc1820 (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：みお | 作成日時：2021年7月10日 1時
