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「...........アグニ、何の用だ?」


部屋に入ってきたのはアグニだった。
相変わらず無表情だが、ボーシヤに押し倒されたAを見ると口の端がピクリと動いた。


「くっ.....!」


Aはボーシヤの力が緩んだタイミングを見計らい、拘束から抜け出した。
胸元を手で隠し、部屋から出ていく。
入口ですれ違ったアグニが何か言いたげにこちらをじっと見ていたが、今はそれどころでは無かった。



ーーーーーー




「はぁ、はぁ、.....ゴホッ」


無人のプールサイド。
しんと静まり返ったそこに、Aの荒い呼吸音が響く。
混乱して部屋への戻り方を忘れ、思わずここに来てしまった。
全身が燃えるように熱い。
Aはプールへゆっくりと入ってゆく。
物理的に体を冷やしても、火照りはおさまらなかった。
照明の影になる端の方までプールの中を歩く。
ひたり、不意に誰がが静かに近づいてきた。


「プールを独り占めしたくなっちゃった?」

「.....あ.....チシヤさん......」


振り向くとそこにはチシヤが気だるそうに立っていた。
Aの顔を見ると、ほんの僅かだが驚いた表情を見せる。


「.........何があったか聞いてもいい?」

「.....ボーシヤさんに、部屋に連れていかれて.....」


言葉を詰まらせるA。
おもむろにプールから上がると、建物の方へ向かおうとした。
チシヤに腕を掴まれ制止される。
触れられた部分がジンと熱くなった。


「ひゃぁっ.....」

「?.....薬でも盛られた?」

「.........」


チシヤの低い声が体をぞくりと震わせる。
涙目のAはこくりと頷いた。
掴まれた手をほどき、握り返す。


「チシヤさんの手は.....温かいですね.....」

「なにさ突然.....まあいいけど、そのチシヤさんっていうのいい加減やめて欲しいなぁ。堅苦しいから。」

「.....うん。わかった。」


チシヤと手を繋いでいると心が落ち着くのは何故だろうか。
数回しか顔を合わせていない上に、人となりを全く知らない人物なのに。
見上げると、彼のプラチナブロンドの髪が照明に当たりキラキラと輝いていた。



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npng01(プロフ) - 初めまして。作者さんのお話にハマってしまいました。パスワードを教えていただきたいです☺︎ (4月28日 8時) (レス) id: c93a1c32d7 (このIDを非表示/違反報告)
あおい(プロフ) - 初めまして。チシヤが推しなので楽しく読ませて頂いてます!良ければパスワードを教えていただきたいです! (9月20日 17時) (レス) id: d73fb9ea10 (このIDを非表示/違反報告)
くろねこ(プロフ) - このお話とても大好きです!良ければパスワード教えて頂けませんか(т-т) (7月15日 8時) (レス) id: 3340ef99aa (このIDを非表示/違反報告)
日笑(プロフ) - とても楽しく読ませて貰っています!ぜひパスワードを教えて頂きたいです!!これからも応援しています!! (2023年3月4日 21時) (レス) id: d4c1bf10fe (このIDを非表示/違反報告)
桃佳(プロフ) - 初めまして。いつも楽しく読ませていただいてます!宜しければパスワードを教えていただきたいです!よろしくお願いします! (2023年2月7日 0時) (レス) id: bb9872c217 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:おこめ | 作成日時:2023年1月14日 9時

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