11 ページ12
.
動きを止めたおにが三人とも同じように、ガタガタと震える。
「ああ.....あああ.......」
声にならない声を発しながら、首に装着された器具を掴む。
その瞬間。
バン!!!
あたりに大量の血が飛び散った。
ぐちゃり、ごとり、と嫌な音を立てておに“だった”三人の頭部が床に落ちる。
「?!!うっ.....」
酷い有様を目撃したAが口元をおさえてしゃがみこむ。
涙が自然と溢れてくる。
そこへ平然とした表情のチシヤが歩いてきた。
「大丈夫?.....じゃ、なさそうだねぇ。」
Aの目線を遮るように移動するチシヤ。
「戻ろうか。立てる?」
「.....はい。」
差し出されたチシヤの手を震える手で握った。
その手があたたかくて、Aはまた涙を流した。
「どうしてこんな.....」
「.........こんな、ありえない世界に来てしまった。これは現実だよお姉さん。」
「そんな.....」
神妙な顔をしたチシヤが、Aの頬を伝う涙を親指でそっと拭う。
そのまま見つめ合い、しばらく時間が流れた。
「.....パラレルワールドだったり、仮想現実.....の、可能性は.....?」
「さぁ.....可能性は捨てきれないけど。俺らはその答えを探している。」
「俺ら?」
「ああ、うん.....そうだな、まずはこの世界の仕組みを説明しようか。」
立ち上がり、ゆっくりと歩きながら話し始める。
現実とは思えないことばかりだが、この“げぇむ”に参加し現状を見たところ、本当なのだろう。
Aは処理しきれない情報の異常さに、目が眩むのを覚えた。
.
200人がお気に入り
感想を書こう!(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
npng01(プロフ) - 初めまして。作者さんのお話にハマってしまいました。パスワードを教えていただきたいです☺︎ (4月28日 8時) (レス) id: c93a1c32d7 (このIDを非表示/違反報告)
あおい(プロフ) - 初めまして。チシヤが推しなので楽しく読ませて頂いてます!良ければパスワードを教えていただきたいです! (9月20日 17時) (レス) id: d73fb9ea10 (このIDを非表示/違反報告)
くろねこ(プロフ) - このお話とても大好きです!良ければパスワード教えて頂けませんか(т-т) (7月15日 8時) (レス) id: 3340ef99aa (このIDを非表示/違反報告)
日笑(プロフ) - とても楽しく読ませて貰っています!ぜひパスワードを教えて頂きたいです!!これからも応援しています!! (2023年3月4日 21時) (レス) id: d4c1bf10fe (このIDを非表示/違反報告)
桃佳(プロフ) - 初めまして。いつも楽しく読ませていただいてます!宜しければパスワードを教えていただきたいです!よろしくお願いします! (2023年2月7日 0時) (レス) id: bb9872c217 (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名:おこめ | 作成日時:2023年1月14日 9時