M!LKest -勇者M!LKの大冒険- 下 (ページ8)

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第十九話① ページ8

皆、私の目の前で倒れていった…

私は、結局何もできず、こうして魔王に殺されてしまうんだ…

皆…本当に…すまない…

魔王に首を絞めつけられ、仁人は遠のく意識の中で、仲間の顔を思い浮かべた。

そして、その瞳から、一筋の涙が零れ落ちていった…。

その時―。

天から一筋の光が差し込み、魔王の体を吹き飛ばした。

魔王「ぐっ、なんだ？！」

「ほっほっほ！一時退却じゃ！そおれ！」

白い煙が突如として吹き出し、魔王の視界が真っ白に染まった。

魔王「小癪な！！！」

魔王のマントが煙を吹きとばすと、そこにはただ白い空間が広がるばかりで、誰もいなくなっていた。

―

「仁人よ、目覚めるのじゃ」

仁人「…」

仁人はゆっくりと目を開けた。

綺麗な青空が広がっている。

仁人「ここは…」

「わしが作った結界の中じゃ。しばらく魔王の目を欺いてくれるじゃろうが、そう長くはもたん」

仁人が顔を横に向けると、そこには見覚えのある顔があった。

神「おひさっ」

仁人「か、神…！！」

神「しばらく見ないうちに、7人全員揃っておるではないか！ほっほっほ！それにしては派手にやられたのお」

仁人「そ、そうだ、皆は？！」

神「安心せい、生きておる」

仁人の後ろで皆無事とは言えないが、体中傷だらけで座っていた。