M!LKest -勇者M!LKの大冒険- 下 (ページ7)

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第十八話④ ページ7

勇斗「させるか…！！」

勇斗は力を振り絞って、魔王の体を押さえつけた。

勇斗「仁人…！頼む…！立ってくれ！！」

魔王「さすがは我が仮の体に選んだだけのことはある。あれでもまだ息の根を止められんとは。だが、我に勝つことはできん」

魔王の体から黒い煙が吹き出し、勇斗の体を包み込んだ。

勇斗「な、なんだこれ？！」

魔王「死ね」

勇斗を包んでいた黒い煙があちこちでスパークを起こし、勇斗の体を攻撃していく。

勇斗「う？！ぐ、ぐああああ！！」

やがて、断末魔の悲鳴を上げて、勇斗も血まみれになってその場に倒れこんだ。

勇斗「じ、仁人…最後まで…絶対に…あき…ら…める…な…」

勇斗の目に最後に映っていたのは、絶望して項垂れるだけの仁人の姿だった。

そして、勇斗も力尽き、仁人はただ一人、取り残されてしまった。

魔王「残るはお前だけだ。お前を倒せば我を阻むものはもう何もない」

仁人「もう…好きにしてくれ…私は…バカだ…。仲間が…やられていくのに…何も…でき…ない…」

魔王「ならば好きにさせてもらうぞ」

魔王は仁人の首をつかむとその体を持ちあげた。

魔王「甚振りがいもない、なんと非力な勇者だろうか」

魔王の手に力が込められ、仁人の首を絞めていく。

仁人は抵抗することなく、その体は力なく垂れ下がるばかりだった。

仁人「皆…すまない…」

魔王「死ぬがいい、哀れな勇者よ」

やがて、仁人の瞳からも、命の輝きが失われていった―