M!LKest -勇者M!LKの大冒険- 下 (ページ6)

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第十八話③ ページ6

魔王「残り2人か。あっけない。"あいつは一人だった"というのに」

勇斗「くそ…！俺が相手だ！魔王！」

魔王「ハヤトか。不完全な状態だった我の手となり足となり働いてくれたことには礼を言おう」

勇斗「こんなにむかつく礼は初めてだぜ…」

魔王「ふっ、まぁ良い。一度は一心同体となっていた我々だ。そこの抜け殻になった勇者を始末すれば、お前だけは見逃してやろう」

勇斗「はは、お前面白いこと言うな！俺がそんなことするって本気で思ってるのか？だったら相当間抜けだよ、お前」

勇斗は魔王の周辺の酸素を奪い取っていく。

魔王「一度はお前越しに我が使っていた能力。その程度効かぬ」

魔王は勇斗に手をかざす。

すると、勇斗の方が胸を押さえて苦しみだした。

魔王「自分の能力を自分で味わうのはどうだ？」

勇斗「な、なんでお前は…俺たちの力を使えるんだ…うぐっ…！！」

魔王「まだそんなことに気を使える余裕が残っているのか。ならば死にゆくお前に教えてやろう」

魔王はゆっくりと勇斗の周りの酸素をコントロールしながら話し出した。

魔王「お前たちがここに来るまでに戦った、道化四天王。あいつが受けた攻撃はすべて我の力となるようになっていた」

勇斗「まさか…それで、あいつ、は…俺たちの攻撃を…わざと…喰らって…」

あの時、道化四天王は瑞生の水晶に触れ、他の全員の攻撃を受け、その勇者の力を全て魔王に送り込み、その力をこの魔王は受け取っていたのだった。

魔王「そして、我の封印は勇者の力でしか完全に消滅することはなかった…だが、お前たちのその勇者の力のおかげで、我の封印は完全に消え去った。だから、本当に感謝しているぞ勇者ども」

勇斗「く…そ…」

だんだん意識が薄れていく。

魔王「それでは、残りのあいつも始末するとしよう」

そう言って、魔王はゆっくりと仁人の下へ歩み寄る。