第十一話�� ページ33
仁人「作戦はこうだ。まず、攻撃の要である太智を守る陣形にする。おそらく魔王に通じる攻撃ができるのは太智だけだ」
太智「嬉しいけど、なんで？」
仁人「まずあいつの能力についてだが、私は"酸素を操る能力"だと推理する」
瑞生「酸素…」
仁人「思い出してくれ。あの時、舜太は炎を出すことができなかっただろ？」
舜太「うん」
仁人「それは、舜太の周りの酸素濃度が極端に少なくなっていたからだ」
瑞生「なるほど、炎は酸素がないと燃えないからね。それにそれだと僕の水晶玉がボロボロに崩れ落ちたことにも説明がつく」
仁人「あぁ。やつは酸素濃度をあげて、瑞生の水晶玉を酸化させたんだと思う」
琉弥「そうか、酸化すると鉄でも錆びてボロボロになるもんね」
仁人「そう。そして太智が気を失い、私たちの呼吸ができなくなったのも」
太智「周りの酸素がなくなったから息ができなくなったのか！」
仁人「そういうことだ。しかし、恐らく操れる酸素の範囲はそう遠くない。柔太朗はそれがわかっていたから、私たちに近づくなと警告していたんだ」
瑞生「遠距離から攻撃できるのが太智ってわけだ」
仁人「ああ。私の攻撃は普通にはじかれていたし、琉弥の能力は風に乗せて拡散させるタイプだからな。時間がかかると隙も生まれるし、屋内だと不確定要素が多過ぎる」
瑞生「それに雷なら、酸素濃度どうこうなんて関係ないしね」
太智「俺がすごいってとこ、見せてやるぜぇ！」
仁人「次に陣形についてだが、順番は、一列で私、舜太、琉弥、太智、瑞生の順番でいく」
瑞生「役割は？」
仁人「私と舜太はあいつの気を引く役目だ。あの魔王に私たちの攻撃は通じないからな」
舜太「囮役ってやつやな！わくわく！」
仁人「意味わかってるのか？まぁそうだが。そして次の琉弥。太智の次にあいつに効果があるかもしれないからな。君の毒が効けば戦いはぐっと有利になる」
琉弥「任せといて」
仁人「そして、太智。先陣3人で作った隙で、あいつに攻撃を加えてくれ」
太智「わかった」
仁人「よし。最後は瑞生。太智と私たちのバックアップを頼む。そして後方からの襲撃にも対応してもらいたい」
瑞生「…任せて」
仁人「そして、もしも私に何かあればあとの指揮は任せるよ」
瑞生「そうならないように僕は全力を尽くすさ」
仁人「あぁ、頼んだ。瑞生…」
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作者名：milkssss | 作成日時：2019年7月15日 20時
