第七話�� ページ21
仁人「？！だ、太智ー！！！！」
瑞生「待て仁人！無闇に近づくと仁人まであぁなるぞ！」
仁人「でも太智が！！」
瑞生「僕が奴を閉じ込める！その間に太智を！」
仁人「わかった！」
瑞生は手に持った茜色の水晶玉を掲げる。
瑞生「？！」
しかし、次の瞬間、水晶玉はみるみるボロボロに崩れていき、瑞生の手から零れ落ちた。
ハヤト「勇者の力とはそんなものか？」
仁人「瑞生の水晶玉が…？！くっ、舜太！頼む！」
舜太「やってる…！やってんねんけど！！！炎が出ないんさ…！」
仁人「な、なんだと…？！」
ハヤト「ふはは！！弱い…、弱すぎるぞ勇者ども！」
仁人「くそぉ！！チェストォ！！！」
仁人の拳から眩い光が放たれ、魔王を包み込んだ。
しかし―
ハヤト「これほどまでにか弱い光、力を使うまでもない！」
黒いマントを翻しただけで、仁人の光は掻き消されてしまった。
柔太朗「この…！！！」
柔太朗はなんとか立ち上がると、両手を魔王につきだした。
そして、巨大な氷の柱を作り出すと、魔王めがけて叩きつける。
が、その氷柱は魔王をかすめ、城の柱を叩き折った。
柔太朗「くっ…」
ハヤト「どこを狙っている？まぁいい。興醒めだ…。ここで死ぬがいい」
そういうと魔王は5人の勇者の真上に飛び上り、指を鳴らした。
仁人「ぐっ！！く、苦しい…」
舜太「い、息が…できひん…？！」
瑞生「うっ…」
柔太朗「また…だ…。こいつの、この能力で…皆…」
4人は胸を押さえて膝をつく。
ハヤト「ふはは！さらばだ勇者ども」
しかし次の瞬間、城の外壁がバキバキと音を立てて崩れていく。
ハヤト「なんだ…？！城が、崩れる？！」
やがて城は轟音と共に崩れ落ちていった。
魔王は、そんな崩れ落ちた氷の城を上空から見下ろす。
ハヤト「ふん、俺を道連れにするつもりだったのか…くだらん。まぁどの道この崩落ではあいつらも助からんだろう」
そう言うと、魔王は北の空へと消えていった。
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作者名：milkssss | 作成日時：2019年7月15日 20時
