第六話�� ページ16
4人の勇者は魔王討伐のため、険しい道のりを進んでいた。
辺りは雪がちらつき、時折冷たい風が吹いている。
舜太「で、魔王がおるんってどこやったっけ？」
瑞生「ここから国境を越えて北へ向かった先にある、死の森だよ」
太智「いかにもって名前のとこだよな！」
仁人「それまでに何とか残り3人の勇者も見つけないとな…」
神「ほっほっほ！旅の方は順調なようじゃの！」
仁人「げっ…久々だな、神」
神「少々立て込んでおっての！どうやらまた仲間が増えたようじゃし、関心関心」
瑞生「これが神か…」
太智「瑞生の方が、神よりよっぽど神っぽいけどな」
仁人「言えてる」
神「な、なんじゃと！せっかく新しい勇者に名前を授けに来たのに！」
舜太「え〜？どんなん？」
仁人「お前は赤ちゃんが生まれたときに、名前を付けたがる近所のおじさんか！」
神「ほっほっほ！ずばり"夕焼けのハニカミ勇者"じゃ！」
仁人「ちょっとかっこいいのが更に腹立たしい」
瑞生「神は閉じ込めても平気かい？」
仁人「本人はあんまり気に入ってない！」
神「ぬぅ、自信作じゃったのに…」
太智「で、今日もそれだけ言いに来たの？」
神「ほっほっほ！慌てるでない！おぬしらが喜ぶ情報を持ってきてやったわい！」
舜太「何々？！」
神「このまままっすぐ行くと、氷の国が見えてくるじゃろう。そこにどうやら勇者の力を持つものがおるらしい！」
瑞生「…それ、昨日僕が皆に教えてあげたよ？」
神「にゃ…にゃんじゃと…」
仁人「衝撃のあまり言葉がおかしくなっている…！」
太智「瑞生には少し先の未来が見える力があるんだってさ！」
瑞生「まぁ、何でも見えるわけじゃないし、いつ見えるかもわからないけどね」
仁人「神、どんまい」
神「うぅ…。どうやらわしの役目はここまでの様じゃな…。それでは健闘を祈っとるぞ…」
そう言って神は姿を消した。
仁人「結構落ち込んでたな。今度はもう少し優しくしてやろう」
舜太「そやな。ちょっと可哀想」
太智「仁人は何だかんだ言って神と仲良しだもんな！」
仁人「ば、バカを言うな！私はただそれで祟られたくないだけだ！」
瑞生「神が祟るとは思えないけど」
仁人「うるさい！さぁ、行くぞ！」
そんな仁人の様子を見て、残りの3人はいたずらな笑顔を見せた。
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作者名：milkssss | 作成日時：2019年7月15日 20時
