セツナサノ ○A○RA○SHI○ (ページ47)

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オツキサマのナミダ(終) ページ47

「ごめん」

涙を流すその姿が

キレイだなんて思って。

でも

泣かしたかったわけじゃない

だっておいら

キミが幸せそうに笑ってた頃から

ずっとここに座りたかった。

だけど

とめどなく流れる

オツキサマのナミダ。

それは

おいらの言いたいことを

いとも簡単に

流していく。

「私、サイテーね」

その一言だけを残して

オツキサマは席を立った。

「........っ。待ってよ」

引き止めたおいらに

足をとめたオツキサマ。

キミを傷つけたかったんじゃない

その一言がいいだせなくて

躊躇する。

「また......会える？」

ありきたりな言葉で引き止めたおいらは

キミの事を興味本位で慰めにくる

大勢の男たちと同じだ。

「........ええ。もちろん」

ありきたりな言葉で引き止めたおいらに

やさしいやさしい

ありきたりな返し文句。

それは

もう会わない

っていうコトバに変換されて

おいらの胸に突き刺さる。

オツキサマのナミダは

鋭い刃になって

おいらの胸に傷を残す........

キミがもう会わないなら

おいらがキミを

探してみせる。

こちらを振り返ることなく

歩き出したキミの背中にさえ

胸が熱く

苦しく

燃える

おいらのコイゴコロ。

いっそ

手に取れるようなカタチになって

おいらの手に入れば

こんなにセツナイ気持ちを

慰めることができたんじゃないかと思う

それくらい

儚くも

美しい

オツキサマのナミダ。

★ オツキサマのナミダ To be continued......