セツナサノ ○A○RA○SHI○ (ページ37)

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いつかきっと。

お前と対等に話せる時がくる……

俺は勝手にそう信じていた。

「もう、送ってくれなくていいよ」

秋風も冷たくなり、受験シーズンが近づく頃

お前との別れはやってきた。

「アメリカの大学、受験するんだ」

俺に止める権利はない。

当然の事だ。

考えてみれば俺は

エリート受験生に勝手にちょっかいを出した

迷惑なおっさんだ。

「Jのおかげで、毎日楽しかった…ありがとうございました」

そう言ったお前の事を

引き止めたくて仕方なかった。

大きな夢を思い描いて

ひたむきに努力して

人の事を素直に褒めて

褒められれば素直に喜んで

そんなお前がまぶしかった

頼もしくもあり、羨ましかった

未来に対する不安や悩みを知った時は

俺がそばにいて

守ってやりたいと思った

助けてやりたいと思った

お前が隣にいることが

何より楽しくて

いつの間にか幸せな時間になっていた。

「頑張れ……よ」

こみ上げる想いを押さえるのに必死で

こんな言葉しか出てこなかった最後を

ものすごく後悔した。