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Aside
『マサイくん、寝ちゃってるかな?』
ーーピンポーン
シ「反応ねぇな。」
ーーガチャ
シ「開いてる……」
中へ入ると、寝室の方から明かりが漏れているのが見えた。
シ「俺、タオルとか濡らしてくるから様子見てやって!」
『うん。』
ゆっくりとドアを開けると、苦しそうに呻いているマサイくんが見えた。
『っマサイくん!?大丈夫?』
マ「……Aちゃん?なんでっ?」
マサイくんが起き上がろうとする。
『いいから寝てて。……ンダホくんが教えてくれたの。なんで教えてくれなかったの?』
マ「Aちゃん楽しみにしてたのに、風邪引いたって言ったら、優しいから俺のとこ来てくれる気がして……。」
『来るに決まってるじゃない!心配だもん。……頼ってほしかったな………。』
マ「それは俺のこと好きだから?それとも同情?」
急にマサイくんの口調が強くなった。真剣な彼の顔に目を反らせなくなる。
『何言って
マ「俺、全然待てると思ってた。Aちゃんがシルクのこと忘れて俺のこと好きになってくれるのをさ。」
『あたし!今はマサイくんのことがっ……』
マ「俺と二人の時はこっちを見てくれてるけど、みんなでいる時は俺の方見てても気持ちがシルクへと向いてる。違う?」
『マサイくんが好きだよ!一緒にいると、落ち着くし自然体でいられる。これからもっともっと好きになる!』
マ「今日は久しぶりにシルクと会ってどうだった?ドキドキしたんじゃねえの?」
確かにシルクが助けてくれた時。はぐれないようにって手を繋いだとき。すごくドキドキしたし、このままでいたいと思ってしまった。でもこれが最後。マサイくんのこともっと好きになるからシルクのことは忘れる、って思ってたのに。
マ「ごめんな。もう俺が耐えられないんだよ。別れよう。」
『マ、マサイくんっ………っ……』
泣いちゃだめだ。あたしが悪いのに……。
マサイくんは袖口で涙を拭ってくれた。
マ「最後に、キスしてもいいかな?」
マサイくんの手が優しくあたしの顔を包んで、そのまま引き寄せられた。彼の熱い唇から痛いほど気持ちが伝わってきた。二人でベッドに倒れ込み、しばらくの間彼の気持ちを受け止めていた。
いつのまにか一緒に眠っていたようだ。
少し熱が下がったのか、マサイくんは穏やかな顔で眠っていた。私はそっと彼の腕から抜け出すと布団を直し部屋をでた。
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作者名:milkcrown | 作成日時:2018年12月18日 15時