いつか、きみのとなりで【fischer's】再 (ページ9)

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東京に帰ってあたしはまた普段通りの生活に戻っていた。

1つ違うことは夜空いた時間にフィッシャーズの動画を見るようになったこと。どうしてもシルクくんの出番が多いから自然とシルクくんに引き込まれていく。

アスレチックで難しいのに挑戦する真剣な顔。
成功した時の嬉しそうな顔。

ドッキリを仕掛けるときのいじわるそうな顔。

驚いたンダホくんを見てケラケラ爆笑する顔。

2時間しか寝ないという貴重な寝顔。

仲間のことを想って涙する顔。

こんなに豊かな表情を大勢の人が見てるんだよね。

『…………………ひとり占めできたらいいのに。』

(えっ。ちょっと待って………。あんなに人気者でかっこよくて仲間想いな素敵な人。あたしなんか相手にするわけないじゃない……。)

あたしは自分の気持ちに蓋をした。どうせこの恋が叶わなくて辛い思いするくらいなら気付かなかったことにしよう。

〜〜〜〜〜♬

(電話だ。えーっと、あ、モトキくんだ！)

『もしもしモトキくん？』

？「あ〜モトキじゃなくてごめんな！」

『えっ‼シルクくん？』

シ「そうそう！なんかモトキがAに電話しようとしたんだけど、なんて言っていいかわからないとか言い出すから。あいつから電話奪ってかけちゃった笑」

『そうなんだ笑。ってなんで急に呼び捨てなの⁉』

シ「あれ以来会ってないからなんて呼んでたんだか忘れちった！あっ嫌ならやめるけど…」

『ふふっ。いいょ。嬉しいっ。』

シ「そうだ！用件な。明日またみんなで俺んちで集まって飲み会するからAもこねぇ？」

『行く！こないだのお礼できてないし、酔ってたからお別れもできなかったのちょっと気になってたの。ご飯作るの好きだからお礼に作るよ！』

シ「マジでっ⁉めちゃめちゃ楽しみにしてるからっ！買い物とかあるだろうし、俺の家わかんねぇだろうからンダホ迎えに寄こすから。」

『ありがとうっ。ンダホくんすごい食べそうだもんね。買い出し手伝ってもらおう。』

し「じゃ、また明日な！」

(明日かぁ……。すっごい楽しくなりそう♬今日はもう寝ちゃおうっと。)