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「赤い金魚のご遺体が出ました」



その日は突然訪れた。



先生はそれ以来、ずっと資料にかじりつき
時間さえあればご遺体を解剖している。


先生は完全に冷静さを失っていて

8年、追いかけ続けてきた犯人への憎しみと
死因究明の思いを目の当たりにする。




遺体が出てから数日経った夜、
私は宍戸さんに何故かまたあのカフェに
呼ばれていた。



「誰に渡すのが1番面白いかなと思った結果が
あんただったってわけよ」


宍戸さんは私に茶封筒を渡してきた。



中を見ると、過去の新聞の記事が
たくさん入っている。


「これは、、、?」


「今回はFだ。
今後、役にたつよきっと」



そう言ってカフェを出ていった。



「F、、、?」



記事を見ると、全て若い女性が
殺された事件で、所々にアルファベットで
メモ書きがされている。



、、、これって、まさか、





次の日、ラボに行くと、

話が大きく動いていた。

死因はホルマリンだということに
先生とミコトが気づいたという。



F。



私は息を飲んだ。




「あ、あの、これ、、、」



そう言って資料を近くにいた東海林さんに見せる。



「これなに?」


東海林さんが資料を覗き込む。


「Beat、drill、、、?

え、このピンクのカバはなに?」

そう東海林さんが言った瞬間

ホワイトボードを見ていた先生がこちらを
勢いよく振り向き、その絵を見た瞬間

私の胸ぐらを掴んで壁に押し付けた。


「、痛っ!」

背中の傷が痛む。



「誰にもらった!!!!」

そんなことは御構い無しの先生が凄む。
怖くて声が出なくなる。


「えっ、」


久部くんが青ざめて止めにかかる。

「中堂さん!やめてください!」


しかし先生は引かない。

「夕希子は最後この絵を持って
消えた、持ってるのは犯人だけだ!!!!」


「、、ジャ、ジャーナリストの人で、、、、
ま、待ってください、
でもまだ犯人か分からないし、
先生、殺しに行ったりなんてしな、」

いですよね、?

そう言い終わる前に先生がさらに力を強めた。





「お前に俺の何が分かる!!!!
いいから早く言え!!!!!」





「ーーっ!」




みんな、ぎょっとして動きが止まる。


私も、動けなかった。

呼吸が止まったかのような感覚。













お前に俺の何が分かる、か。




一気に

現実を叩きつけられた気がした。






.







さすがの先生も
ラボの静まり返った空気に気づいたらしく
ハッとした顔で私から手を離した。

10-2→←嵐の前の。中堂side



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設定タグ:アンナチュラル , 中堂系 , 久部六郎   
作品ジャンル:恋愛
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うみ(プロフ) - もうドキドキしながら観てます…ε-(´-`*)笑 (2018年4月6日 11時) (レス) id: 6a75db877c (このIDを非表示/違反報告)
milk(プロフ) - ありがとうございます!今日中に完成させます!(笑) (2018年3月31日 7時) (レス) id: 25eefb2072 (このIDを非表示/違反報告)
あやか(プロフ) - 続きが楽しみすぎてやばいです!!頑張ってください! (2018年3月30日 7時) (レス) id: ccca1c1412 (このIDを非表示/違反報告)
milk(プロフ) - にのちーずさん» ありがとうございます、恐縮です!頑張ります! (2018年3月28日 21時) (レス) id: 25eefb2072 (このIDを非表示/違反報告)
milk(プロフ) - どうもさん» ありがとうございます!終盤に向けて頑張ります! (2018年3月28日 21時) (レス) id: 25eefb2072 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:milk | 作成日時:2018年3月28日 7時

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