先生と夢4 ページ45
.
「木林さん、ありがとうございました」
そうお礼を言うと、木林さんは何故か
名前で呼ばれても疑問を感じないらしく
「いえいえ、お役に立てて良かったです」
それでは、
といつもの笑みを浮かべて帰っていった。
お城に入ると、ちょうど
ファンファーレが鳴った。
奥から気だるそうに出てきた王子に
やっぱり、と思う。
「先生、、、」
私の、夢だもの。
王子様は先生以外ありえない。
先生はどんなことがあっても現実では
絶対に着ないであろう王子様の服を着ている。
ただ様になっているからすごい。
先生もこちらを見つめて目を大きくした。
あれ、毛利さんだ
先生の隣にいるのは
あの西武蔵野署コンビだということに気づく。
「王子、さてはあの子がお気に入りなんですね！
皆の者！道をあけよぉぉぉ！！！」
毛利さんがそう無理やり道をこじ開けると
私の前に人が誰もいなくなる。
「お、おい」
先生が戸惑っているのがわかる。
「え」
「さ！王子！」
そう言って毛利さんが先生の背中を押す。
「クソ、」
小さくそう呟くと
先生はこちらに向かって歩いてきた。
先生が目の前にくる。
こんな格好をしている
自分を見られるのも恥ずかしいし
洋風な格好が似合っている先生も直視できない。
でも、夢だし。
先生が王子様ならいっそ夢を楽しんだ方が
いいのかもしれない。
先生も自分が先生だと思ってないよね、きっと。
そう思い、
もうストーリーに身を任せることにする。
「え、えと、、、シ、シンデレラと申します、」
「は？」
私がそういうと、
先生は一瞬ぽかんとした顔をしたが
「そうか、お前がシンデレラか、」
そう言い、フッと笑った。
先生が毛利さんを見て言った。
「おい、さっさと音楽流せ」
「はいはい今やります！」
そういうとダンスのための生演奏が始まる。
すると周りの人たちも近くの人と
ペアを組み踊り始める。
「あ、あの、、、私踊れない、、、」
「安心しろ、俺も踊れない。
というか踊るなんてごめんだ。」
「え？じゃあなんで、、、」
「こうすれば、周りの奴らに
あんまり見られなくて済むだろ」
そう先生は微笑むと
私の腰をゆっくり引き寄せた。
「お前、その格好似合ってるな、」
そう優しい目で私のことを見て言う。
自分の顔が赤くなるのがわかった。
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 356人がお気に入り
お気に入り作者に追加
この作品を見ている人にオススメ
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告感想を書こう！(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
うみ(プロフ) - もうドキドキしながら観てます…ε-(´-`*)笑 (2018年4月6日 11時) (
レス) id: 6a75db877c (このIDを非表示/違反報告)
milk(プロフ) - ありがとうございます！今日中に完成させます！（笑） (2018年3月31日 7時) (レス) id: 25eefb2072 (このIDを非表示/違反報告)
あやか(プロフ) - 続きが楽しみすぎてやばいです！！頑張ってください！ (2018年3月30日 7時) (レス) id: ccca1c1412 (このIDを非表示/違反報告)
milk(プロフ) - にのちーずさん» ありがとうございます、恐縮です！頑張ります！ (2018年3月28日 21時) (レス) id: 25eefb2072 (このIDを非表示/違反報告)
milk(プロフ) - どうもさん» ありがとうございます！終盤に向けて頑張ります！ (2018年3月28日 21時) (レス) id: 25eefb2072 (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：milk | 作成日時：2018年3月28日 7時
