先生と夏2 ページ41
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「はぐれんなよ」
と差し出された手を
「、うん」
と言って握る。
前も後ろも人だらけ。
こんなに東京には人がいる中で、
彼と出会って、今こうして
手を繋いで、歩けていることは
本当に奇跡みたいなことだなと改めて思う。
屋台でお好み焼きを買って
人混みを抜けて河川敷にくる。
持ってきたシートを広げで2人で座った。
「食べる?」
そう言って一口サイズにお箸で切って
右側に座っている系くんの口の前まで持っていくと
系くんがそのままパクッと食べる。
「、上手いな」
そう言ってこちらを見る系くんに
胸がキュンキュンする。
「こんな人混み、ほんとは嫌いでしょ?」
「逆に好きなやつなんていないだろ」
「そ、そうだけど、、、、、、」
やっぱ嫌だったのかな?
そう不安になった時、
ドーン
花火が始まる。
「わー!きれい!!!」
思わず次々と夜空に咲く花々に見とれる。
しばらく経ってから
ふと、視線に気づいて横を見ると、
系くんはこっちを見ていた。
「え、?」
そっと系くんの左手が伸びてきて
私の頰を触る。
そしてそのまま腕を私の背中にまわされ
ゆっくり、引き寄せられて。
系くんが、優しく私にキスをした。
周りのガヤガヤした音も
花火の音も
遠くに聞こえる。
甘くて、溶けてしまいそうなキス。
ゆっくり唇がはなれ、至近距離で見つめ合う。
時間が止まっているかのような感覚に陥る。
先にそっと視線を逸らしたのは、
恥ずかしくなった私だった。
系くんはそんな私に対して
フッと笑うと、言った。
「お前となら、来年もまた来てもいい」
口角を上げてこちらを見る系くんは
とにかくかっこよくて。
来年も再来年も
彼の隣にいられますように、
花火を見ながらそんなことを祈った。
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うみ(プロフ) - もうドキドキしながら観てます…ε-(´-`*)笑 (2018年4月6日 11時) (レス) id: 6a75db877c (このIDを非表示/違反報告)
milk(プロフ) - ありがとうございます!今日中に完成させます!(笑) (2018年3月31日 7時) (レス) id: 25eefb2072 (このIDを非表示/違反報告)
あやか(プロフ) - 続きが楽しみすぎてやばいです!!頑張ってください! (2018年3月30日 7時) (レス) id: ccca1c1412 (このIDを非表示/違反報告)
milk(プロフ) - にのちーずさん» ありがとうございます、恐縮です!頑張ります! (2018年3月28日 21時) (レス) id: 25eefb2072 (このIDを非表示/違反報告)
milk(プロフ) - どうもさん» ありがとうございます!終盤に向けて頑張ります! (2018年3月28日 21時) (レス) id: 25eefb2072 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:milk | 作成日時:2018年3月28日 7時