〃 ページ6
*
「＿＿＿＿火神が、」
ぼうっと自分の世界に入り込んでいた俺は、いきなりその名前がクラスメイトの口から出たので、今度こそギョッと驚いた。
「は？ 」
気づかないうちに食堂までやって来ていたのか。先ほどまで隣にいた肝心の緑谷と飯田は、ヒーロー研究部の展示会を見に行ったようで、混み合っている食堂の席の中で右隣の２席だけぽっかり空席だった。
「よっ、轟！！楽しんでるかー？ 」
それを見かねたのか、頭上から降り注がれた問いかけの主、＿＿＿＿上鳴と切島が、遠慮なくドカッと座る。
「火神がな、普通科の一年の......なんだっけ、体育祭で緑谷に負けた＿＿＿＿」
「あー、心操？ 」
「そうそう、ソイツと付き合ってるらしい 」
「えー！？ 俺、狙ってたのに......それ本当か！？いつから！？ 」
話に耳を傾けていると、聞こえてくるのはどれも俺と無関係な内容ばかり。
なんだ、俺に話しかけたんじゃないのか。誰にも悟られないように、小さな安堵のため息を吐き出す。
「うーん、いつからか分かんねぇけど......B組のヤツが見たって言ってた。楽しそうに話してるところ 」
「お前、そーゆー色恋沙汰の情報、どっから仕入れてくるんだよ。クソ羨ましいな 」
「わっかんねぇ。いつのまにか相談されてんだよ、いつも 」
「ふうん。火神ってああいうのがタイプなんだ 」
今、ちょうど隣で話している切島は、そんなに女友達とかたくさんいるというイメージではないのに、意外とそういうミーハーな情報に詳しかった。
逆に、切島みたいな頼れる男だと、皆安心して打ち明け話や秘密の話ができるのかもしれない。なんとなく、それはわかる。
俺は、頭の中に隈のできた目に闘志を燃やしていた、体育祭での心操を思い浮かべてみた。
記憶にモヤがかかって、どんなヤツかは思い出せなかったが。
「轟はいいのかよ 」
ハッと我に返り、切島たちの方を見ると、どことなく探るような目つきでこちらを見ているので内心焦った。
「なんだよ 」
「心操に盗られても 」
「何をだ 」
「俺はてっきり、お前が火神のこと好きだと思ってたんだがな。ほら、四月ぐらいにさ、お前らデキてるって噂あったし 」
「だからアレはガセだと言っているだろう。俺はアイツとほとんど口も聞いたことない 」
心底胸クソ悪いと思う。腹の中で怒りが煮えたぎっているような、半ばそんな気持ちを押し込めて否定した。
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正義のヒーロー赤マフラーZ(プロフ) - いちごさん» コメントありがとうございます！私もいちごさんの作品の作品を拝見させて頂いています。友達申請、させていただきますね。 (2017年8月12日 19時) (
レス) id: 90857948a4 (このIDを非表示/違反報告)
いちご(プロフ) - こんにちは！！思春期+密室や気になるアイツはノーブラ野郎を書いている者です……！いつも愛読させていただいてます！！！！これからも更新頑張ってください！友達申請とかしてもいいですか……？？ (2017年8月12日 18時) (レス) id: a88477f61c (このIDを非表示/違反報告)
正義のヒーロー赤マフラーZ(プロフ) - あーるさん» コメントありがとうございます。物語シリーズ、一時期ハマってました(笑) (2017年8月12日 16時) (レス) id: 90857948a4 (このIDを非表示/違反報告)
あーる - 面白かったです！まさかの某迷子Pである。いつか、「かみまみた」って言ってくれるかなぁ。 (2017年8月12日 15時) (レス) id: 5ac2a3e4cf (このIDを非表示/違反報告)
正義のヒーロー赤マフラーZ(プロフ) - 麥さん» すみません！私としたことが外し忘れていましたm(_ _)mご指摘ありがとうございます！ (2017年8月12日 13時) (レス) id: 90857948a4 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：正義のヒーロー赤マフラーZ | 作成日時：2017年8月12日 12時
