〃 ページ13
*
＿＿＿＿アイツがいたから？
仲の良さそうな二人の姿が目に浮かんだ。親子というよりは女友達のようだったあの二人。男と女の違いがあるといえど、ウチではとてもじゃないけどあんな雰囲気にはなれなかった。
「あ......」
自分が羨んでいることに気づき、慌ててそれを打ち消した。
＿＿＿＿再婚。母親が再婚。
俺は改めてその可能性について考えてみた。もう一度、身体のどこかに風が吹いたが、それは嫌なものではない。
それもいいかもしれない。
後ろの方で小さな窓が開いて、背後から日が差し込んだような気がした。
「みんな、女なんだな 」
「え？ みんな、って......？ 」
誰にも聞こえないように呟いたつもりだったが、相変わらず耳ざとい緑谷が聞き返してくる。
「母親 」
二人の母親を思い浮かべていたことを知られたくなくて、俺はぶっきらぼうに答えた。
「あ、そうだ......劇の前にカメラ設置しておこうよ。そうしたら、入院中の轟くんのお母さんも見れるし......轟くん、カッコいいし王子様役だから、きっと映えるよ 」
「そうか。そうしよう 」
帰り道は全員同じ。帰る場所が一緒になってから、楽しいことも悲しいこともたくさん学んだけれども、やっぱり＿＿＿＿、
「明日、劇、絶対成功させようね！頑張ろう、轟くんっ！！ 」
「ああ 」
みんなと一緒にいれば、どこへでも行ける気がする。
「明日、楽しみだな 」
「うんっ......！」
柄にもなく高鳴る心臓を抑えて、明日の期待を募らせた。
*
夜であることに気づくのは、いつも一瞬のことだ。
それまでは明るい、まだ夕方だと思っていたのに、いつの間にかその比率が逆転していることに驚く。
「楽しかったなー、学園祭！ 」
「ねー、いっぱい食べちゃったよ〜。こりゃあダイエットが大変そうだ 」
「ちょっとー、もう学園祭が終わっちゃったー、的な雰囲気出さないでよ！！ 」
みんなと帰る一緒の帰り道。もう共同生活には慣れた。みんなが家族みたいでなんだか新鮮に感じることも少なくなってきていて。これが人間の順応速度かー速いなー、なんて感心するくらいだ。
「今日はたくさん歩いたねー」
「ねー。あ、じゃあこれがダイエットになるから、プラマイゼロじゃ...... 」
「それはナイナイ〜」
校舎から離れているとはいえど、私達の家まではほんの一瞬。
この一瞬が毎日あったならば、それは膨大な時間になる。
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正義のヒーロー赤マフラーZ(プロフ) - いちごさん» コメントありがとうございます！私もいちごさんの作品の作品を拝見させて頂いています。友達申請、させていただきますね。 (2017年8月12日 19時) (
レス) id: 90857948a4 (このIDを非表示/違反報告)
いちご(プロフ) - こんにちは！！思春期+密室や気になるアイツはノーブラ野郎を書いている者です……！いつも愛読させていただいてます！！！！これからも更新頑張ってください！友達申請とかしてもいいですか……？？ (2017年8月12日 18時) (レス) id: a88477f61c (このIDを非表示/違反報告)
正義のヒーロー赤マフラーZ(プロフ) - あーるさん» コメントありがとうございます。物語シリーズ、一時期ハマってました(笑) (2017年8月12日 16時) (レス) id: 90857948a4 (このIDを非表示/違反報告)
あーる - 面白かったです！まさかの某迷子Pである。いつか、「かみまみた」って言ってくれるかなぁ。 (2017年8月12日 15時) (レス) id: 5ac2a3e4cf (このIDを非表示/違反報告)
正義のヒーロー赤マフラーZ(プロフ) - 麥さん» すみません！私としたことが外し忘れていましたm(_ _)mご指摘ありがとうございます！ (2017年8月12日 13時) (レス) id: 90857948a4 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：正義のヒーロー赤マフラーZ | 作成日時：2017年8月12日 12時
